「『超保険』解体新書」
「超保険」研究会 2004/03 績文堂出版 単行本 238p
No.801★★★☆☆
世にさまざまな職業があり、職業にさまざまなスタイルがある限り、さまざまな商品があふれかえっていることは当然のことだが、一世を風靡したり、長期の定番品になって生き残る商品はそう多くない。この超ホケンも、さて、一世を風靡はしたものの、長期の定番に成り得るかどうか、いまだに評価定まらぬ「商品」のひとつといえるだろう。
この本も、ついに仕事場に「残り続けてきた」三冊のうちの一冊だ。発行されたのは2004年3月、すでに3年半が経過している。新しい千年紀を記念してネーミングされたミレア・グループが、満を持して、世界遺産に匹敵するような商品開発をしようとして生まれたのがこの商品だ。ホケンは習慣として商品と呼ばれているが、実際は姿のないサービスの形態だから、個人的には、これを商品と呼ぶには違和感がある。ましてや超ホケンにおいてや。
ホケン業界は、不払い問題やコンプライアンス問題、郵政民営化などでてんやわんやの大騒ぎだ。ひとつひとつの話題については、当然の帰結であり、台風一過のおだやかな日々が一日も早く到来することを願っているのみだが、問題山積みという状態はこれからも延々と続くことになるにちがいない。
ITの進化とコンサルティングの融合から開発された超ホケンだが、そのコンセプトには大いに共感賛同するところだが、実態としての進捗状況は、さて、いかがなものか。細かいデータはいろいろと出揃っている。もちろん、進化するホケンであるだけに、この本がでた当時からはかなり変貌をとげている。
今回、この本をあちこち読み直してみて、歯がゆいやら面映いやら、落ち着かない気分になってしまった。爆弾を抱えたままスタートしたこの巨大プロジェクト、一体どこまで展開していくことになるか。結局は顧客の満足を獲得することができるのか。あるいは将来のある日、静かにフェードアウトしていくのか。マーケットの流動いかんによっては、どうなるかまったく不明な将来性である。
ただ、このような未知なる世界にいどみ続ける姿勢は絶対に必要だ。その姿勢には激励の声をかけたい。というか、わが社の主力サービスだけに、他人行儀な表現に終始ばかりもしていられない。このブログで展開するかどうかはともかくとして、日々このテーマで取っ組み合いをしているのも事実なのである。
「『超保険』進化論」(2012/12 績文堂出版)につづく