|
カテゴリ:読書 小説
軍配者、戦国時代に戦の吉凶を占う易者の知識と、兵法を用い軍事的な頭脳として働く軍師の両面を網羅した存在。
その軍配者として、北条早雲に見込まれ足利学校で勉強を積む事になった小太郎を主人公とした物語になります。 北条家、小太郎ですから当然風摩小太郎という事になりますが、普通風魔小太郎というと武闘派忍者という扱いになるとは思うのうですが、忍者という扱いではなく知性にあふれた軍配者という存在にした所が非常に面白い配置だなと。 そして、そのための教養をつけていく過程に重きを置いた構成で、実戦でどうなるかというのも非常に上手く見せているなというのが感想ですね。 しかも、この足利学校には山本勘助も出てきますし、戦国時代の戦の中でも頭脳戦という所に力点を置いているし、戦をするには戦をする理由があり、戦争とは私利私欲にまみれた単なる野蛮な争い事ではないという事を強調されていますし、感情移入しやすい形で表わされています。 戦だけではなく、北条早雲という人物を通して、上に立つ者の意義、責任、統治者とはどうあるべきかという、昨今の日本の統治者にも読ませたくなるような内容ですね。 戦国時代を舞台とした小説としては、多少変化球という感じもしますが、戦国時代を舞台とした歴史小説というものがすでに多々出ている中で、新たな試みを目指しているのではないかと、何となく思える部分もあり楽しめましたね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月21日 16時47分20秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書 小説] カテゴリの最新記事
|