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カテゴリ:現代文学一般
「死様」をテーマにした6人の作家による競作小説のうちの1冊。荻原さんの作品なら外れはないだろうと思っての図書館本。字が大きい150ページ、図書館本なので得したような損したような・・・普通の文字サイズで全部をまとめて1冊か2冊にすればいいのにと思ったが、これは業界の販売戦略なのかもしれないとも・・・
〇「こんなところ。こんなところ。こんなところ。」「私も人を殺したことがあるのだと」「何を言われようが、私は自分の心の声に従った」「息子よ、娘よ。人生は何をなしたかではない。何をなそうとしたかだ。」 ●父親の臨終後に母親から渡されたのは父親が書いた私小説?もしかしたらフィクション?を読みながら自分の知らなかった父親の人生を知る息子の視線から書かれた小説。生まれ故郷の福島から北海道開拓団の家族として過ごし、海軍に志願して参戦、戦後は労働運動にも関わった父親の人生と自分の人生を重ねて考えてみる息子。この本は出版したくて書かれたものではなくて残った家族に読んでほしかったものだろうと考えて出版するのは止める。 〇誰もが、父の長く短い物語の登場人物たちだ ●葬儀に参列する人たちの姿に父が書いた物語の登場人物がリアルなノンフィクションと感じる主人公。 ●エロ雑誌を隠す場所に使っていた机の引き出しの底板のエピソードは好きです。そこにあったのは茶封筒に入った古い写真だった ●職業柄の必要性というよりは関心から、人がなくなる「その日」の前後の本人や周囲の人に関わる本はノンフィクションに限らずフィクションもたくさん読んでいる。「その日」に関わる本の感想や体験を書いていくような場を作れたらいいなと思う。 ●まあそれなりには面白かったと思うので、このシリーズ他の作家さんも読んでみようかなと思う。つまみ食いしていたらまた新たな作家さんとの出会いとか既知の作家さんの再発見もあるかもしれないし。
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Last updated
2019.11.14 22:24:49
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