|
テーマ:お勧めの本(7216)
カテゴリ:エッセイなど
・朝日新聞に連載された「村田喜代子の文章口座」の単行本化。テクニックよりも個性的な視点や発想が大切だということが伝えたいことの大きな柱で、素晴らしい子供の作文がいくつか紹介されていたのが面白かった。
・全ての作家がそうなのかは分からないが、少なくとも村田さんは1日24時間文章を書くことを意識しながら生活していることが分かって凄いなと思った。夫婦喧嘩も観察・文章化の好機だと考えて客観視する下りは笑えてしまった。
良い文章とは 1.自分にしか書けないことを 2.誰が読んでもわかるように書く ・この部分がこの本を読んで最も強く印象に残ったというか再認識させられたところで、以下の抜粋もすべては同じ意味で良い文章を書くために通ずる言葉だ。 〇書く行為はまず世の中を見る目を養うことから始まる 〇一つの文章をうまくまとめるのも大切だが、その前に発見や思考がある文章を書きたいものだ 〇そしてその中に、その人だけの考え方や発見が1行でもあれば、その文章の価値というものになる。 ・作家は、日常生活の中で目に見えた風景や聞こえてきた会話などを観察して文章化する練習を常にしていて、1日24時間365日ずっと文章を書くことばかりを考えて生活しているのだろうか。作家さん皆がそうかどうかは分からないが、少なくとも村田さんはそうらしい。 大切なことは、観察したこと、聞いたこと、考えたことを放置せず、時間を見つけて文書化することだ。そうすれば、1週間に1つは何かまとまった文章が出来上がる。 ・作家になる予定もつもりもないが、職場の女性たちの悪意のこもった日常会話にストレスを感じて耳をふさぐ生活から脱却、彼女らを観察対象として客観的にみることができれば、ついでに文章化の練習もできればと、ついにひらめいたのだ。明日から活用してストレス軽減になればいいなあ・・・ 私など家で夫婦喧嘩をやっていてもいつのまにか観察、文章化のクセが働く。たとえば会社から帰った夫が夕食の支度がまだ出来ていないことに怒って、「今何時だと思っている!」と怒鳴ると、 「今何時だと思っている!」と彼は怒鳴った。 と私は口の中で呟くのである。これは描写とセリフの勉強になる。「何をしていたんだ!」と彼が言うと、 「何をしていたんだ!」と彼は押し被せて言った。 とまた頭の中で文章にする。何でも勉強。夫婦喧嘩も好機である。 ・作家ならではの笑えるエピソード。自分の書いた作品が高校入試の国語の試験問題になることがあるが、解答してみると著者なのにいい点が取れないというエピソードも面白かった。国語の教育って大丈夫なの?と思ったりする。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.07.04 16:09:16
コメント(0) | コメントを書く
[エッセイなど] カテゴリの最新記事
|