半七の見た江戸（著者：今井金吾｜出版社：河出書房新社）
半七捕物帖に登場する場所が、江戸時代にどうだったかを、主に『江戸名所図会』によって解説している。
たいていのところが、人家が少なく、今の東京とは大違い。
半七捕物帖はだいぶ読んだはずなのだが、覚えている話がほとんどないのには我ながらあきれた。
ああ、あの話か、とわかったのは「弁天娘」だけ。
岡本綺堂も随分資料を調べたりしたのだろうが、この本で、勘違いを指摘されているのもある。
著者が、半七の世界にはまりこんでしまっているのはよく分かるが、当方はあまり江戸に詳しくないのでどうも江戸の全体像がわかりにくい。
江戸の全体像が分かっている人には、こういう細かいところがたまらなく面白いのだろう。
