![渥美清/男はつらいよ 寅次郎恋歌](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/asahi-record/cabinet/252/00000604252.jpg?_ex=128x128)
2時間近い大作。
特筆すべきは、森川信のおいちゃんの最終作であること。
配役で、前作までは「おじちゃん」だったのだが、これでは「おいちゃん」になっている。
話の中で「老い先短い」だのなんだの寅さんが悪態をつくが、現実になってしまった。
年末の公開で、翌年の3月には亡くなってしまった。
惜しい。
博の父(志村喬)とのやりとりで出てくる、リンドウの花の咲く農家の庭先、夕食の団らんの様子などが寅さんの理想像となるのだが、おいちゃんとおばちゃんは、「りんどう」や「明るい電灯」にばかりとらわれ、情緒的な面がさっぱり理解できない、というところがいい。
ヒロインは池内淳子。
夫と死別し、喫茶店を開いて小学3年の息子と生きていこうとしている。
しかし、開店資金を借りた先がたちの良くないところだったらしい。
寅さんの奮闘で問題は解決し、とはならず、寅さんは自分の無力さを感じながら去っていく。
ファンタジーの世界に生きている寅さんには、リアルな世界の問題は解決できないのだ。
倍賞智恵子は相変わらず若く、ハイソックスのかわいらしい姿で登場する。喪服までミニスカートだ。みんなそうだったんだろうか。
実写版「忍者ハットリくん」で花岡実太だった谷村昌彦がちょっと出ていた。懐かしい顔だ。
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