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2005.09.26
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カテゴリ:その他の映画
松竹 男はつらいよ 私の寅さん 冒頭は夢。これまた吉田義男が出ている。明治新政府への不満爆発、という設定らしい。
 今回もまた、いわゆる「マドンナ」はなかなか出てこなくて、寅さんが、妹夫婦ととらやの夫婦が九州旅行に行っている間留守番をする、というのが長い。
 自分のことを棚に上げ、旅行中の家族を心配して気が気ではない、旅から帰ってきたらくつろげるように用意万端整えておかなくてはならないというあたりが自分にもこうして欲しい、いや、すでにそうしてもらっているという気持ちをあらわしている。
 タコ社長が大活躍。
 博が会社を辞めるのかと勘違いした寅さんが、「そんなことになるとタコが泣くよ。おれはタコが泣くところなんかみていられない」と言うのを聞いてグショグショ泣く。
 留守番の寅さんにつきあって飲む。
 帰ってくる一行のために、かいがいしい割烹着姿で寅さんのいいなりに働く。
 まさにここしかない、というはかったようなタイミングで寅さんの恋を話題にする。(これはいつものことだが)
 さて、岸恵子だが、この時はフランスの映画監督と結婚していてパリを本拠地にしていた。いわゆる「国際派女優」だったのだが、それが寅さんに、というところが斬新。
 考えてみると、岸恵子の演技というのを見た記憶があまりない。
 へえ、こうだったんだ、と新鮮だった。声が裏返っているように聞こえるのだが、それが地声なのだろう。
 その兄で寅さんの幼なじみが前田武彦。
 若い。太っている。放送作家という、そのまんまの役。
 興味深いことに、これが製作された年の9月に、「夜のヒットパレード」で「共産党万歳」と言ってしまって、それ以後ほされることになっている。
 監督は、それがあったから起用したのではないか、という気がする。山田洋次監督は共産党を支持者だし。
 九州旅行は9月末から10月の始め、という設定(店の表に「従業員慰安」と書いてあるが、従業員なんていない)なのだが、葛飾の情景が寒々としていて10月とは思えない。
 七五三のお参りの帰りらしい人も出てくるから、11月までは葛飾にいた、ということなのだろう。
 さて、寅さんの恋なのだが、最初から釣り合わないのはしれたこと。
 何しろ相手は洋画家なのだ。話がかみ合うはずはない。
 しかし、無邪気な寅さんになら胸の内を明かすことができるのだ。
 最初の印象が悪かったのも良かった。いいところばかり見せようとしなくてもすむ。
 二人でいるときに、近所から「別れの曲」が聞こえてきて、寅さんが曲名を聞いてしみじみとするあたりは、新鮮でも何でもないのだが心に残る。
 前にも書いたが、監督は、日本を記録しておくことに意を注いでいる。
 岸恵子が恩師を訪ねたとき、恩師夫婦は近所の自然が破壊されていることを歎いていた。意図的なせりふだろう。

 今回のBSの放送で、おばちゃんを演じた三崎千恵子のインタビューがあった。その中で、「48作ではなく、1作だと思っている」というのを聞いて、我が意を得たりと思った。
 そうなのだ。だからあらすじが言えない映画になっているのだ。
 自分の日常生活を振り返ってみればわかる。
 日常生活のあらすじが言えるだろうか。できないだろう。いろいろなエピソードが結びついていたり、無縁に存在したり、重なっていたり、離れていたりする。それが映画の中に持ち込まれているのだ。その点が希有なのだ。
 だからこそ不思議な映画なのだ。

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Last updated  2005.09.26 00:47:08
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