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2005.11.08
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カテゴリ:PC・IT関連
ネット王子とケータイ姫 副題「悲劇を防ぐための知恵」
 中公新書クラレ。2004.11.10初版。

 次々に起こる、インターネットや携帯電話がらみの犯罪と子供との関わりについて、いろいろな意見を目にする。
 しかし、教育問題についてはよくあることながら、現実に根ざした意見を目にすることはなかった。
 この本もそういうものだろうと思って読み始めたのだが、そうではなかった。珍しい本である。
 第1章「あまりにもアナログな、デジタル機器」では、なぜインターネットや携帯電話から子供は離れなれないのかと説く。そこが居場所になってしまっているのである。
 次に、「ゲーム脳」に代表されるような、メディアと学者のいい加減さを厳しく指摘する。第2章はその名も「学者とメディアを疑え!」だ。
(ここから)
マスメディアが学者や研究者の仕事を取り上げるのは、それが、読者や視聴者が「こういうデータや仮説がほしい」と欲望したこととマッチした場合だけなのだ。」(p45)
(ここまで)
と言い切っている。

 第3章「電脳世界の恐るべき子どもたち」はインターネットと携帯電話が生活の中で大きな比重を占めている子どもたちの実例。
 決して否定的ではなく、コミュニケーションが回復した事例も挙げている。
 第4章「学校が教えられないネット世界」では、学校と言うよりも、大人社会が子供に向き合う姿勢を取り上げている。
 つまるところ、問題はそこにあるのだ。
 なぜ社会はインターネットや携帯電話を悪者にしたがるか。
 これは繰り返し語られている。
 たとえば、

(ここから)
「犯人はネット」という雑誌記事や「カッターナイフとパソコンを見直せ」といった教育委員会の見解には、いずれも残念ながらしっかりした根拠はなく、むしろ「そう思いこみたいからそう決めた」というおとな側の不安や前のめりなあせりだけがクローズアップされる結果となっている」(p31)
(ここまで)

 世の議論は、現実に根ざしたものではなく、自分たちが勝手に作り上げた幻想にすがっているだけなのだ。
 また保護者側と学校側の間の無責任な関係の実例が興味深い。
 少し長くなるが引用する。
(ここから)
(ある人の話)「(略)おやしいと思うのは、それを親が子どもに言うのではなく、親が学校にお願いして『学校側から禁止してくれ』といっていること。(略)そうした指針を親が直接子どもに指導するのではなく、学校を通して強圧的に規制を要求するのもまたおかしい。それは親が学校に責任を押しつけているだけに過ぎないと思うのです」
 なぜ親が直接子どもに指導するのを避けるのかと言えば、親はそこまで子どもに厳しく言えないという事情がある。「子どもから嫌われたくない」からだ。学校から強制的な指導としていってもらえれば、親は責任を逃れるうえ、曖昧さや疑問の余地を残さずに禁止を子どもに迫ることができる。要は、学校にすべてを委任することで、親が自分の責任を回避したいために、学校に強く要望しているのである。(p135)
(ここまで)

 具体的にどうすればいいのか、ということを知りたい人には、この本の「王子と姫を守るヒント」を読んでもらいたい。

 もっとも印象に残った文章を紹介する。

(ここから)
「夜にウラ山に行っちゃいけないよ。祟られるからね」という教えに科学的根拠はないが、「どうしても行ってほしくない」という親の真ごころはある。逆にそう言う親なら、ウラ山には霊はいないと科学的に解明されても、「いや、それでも行っちゃいけない」と言うだろう。(p172)
(ここまで)

 親には、インターネットや携帯電話に関する知識や技能よりもこういう姿勢が求められているのである。


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Last updated  2005.11.09 09:57:10
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