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テーマ:江戸時代を読む!(129)
カテゴリ:江戸時代を知る
NHK教育テレビ「知るを楽しむ」で10月から11月にかけて放送されたもの。
毎回、奇想天外な絵を描いた江戸時代の絵師を取り上げ、その人物像、その絵の特徴を説いている。 番組は全回見たが、改めてテキストを読んでみた。 正直なところを、絵画はわからない。私は絵画を見る目を持たない。 しかし、取り上げられている絵を見ると、その迫力は感じる。 まさに「ギョッとする」のだが、このタイトルが良くできている。 「ギョッとする江戸の絵画」というと、江戸の絵画がギョッとするとも読めるのだが、そんなことはあり得ず、江戸の絵画を見た者がギョッとするのである。 わかりやすく言えば、「見る者がギョッとする江戸の絵画」だろうが、主語を省略しているから引っかかりを感じて印象に残るのだ。 さて、その内容。 1・「血染めの衝撃~岩佐又兵衛」 「浮世絵」の元祖なのだそうだ。 切断された人間の断面が生々しい。 しかし、作者はこういう絵ばかり描いていたわけではない。 2・「身もだえする巨木~狩野山雪」 不自然にくねる老木。 幾何学的な構造を持つ絵。 3・「「自己流」の迫力~白隠」 専門絵師ではない。素人の絵なのだが、その斬新さは、後世に影響を与えた。 4・「奇想天外の仙人たち~曾我簫白」 美しい色遣いながら、怪しい仙人ばかりに見える不思議な絵。 5・「絵にしか描けない美しさ~伊藤若冲」 「絵にも描けない」ではない。 まさに「絵にしか描けない」絢爛たる色遣い。 筆致が一つではないのにも驚く。 描こうと思えば何でも描けるのだろうか。 6・「猛獣戯画~長沢蘆雪」 ほかの画家の絵に比べれば、おとなしい。「ギョッとする」というよりは「でっかいなあ」である。 7・「天才は爆発する~葛飾北斎」 これは私でも知っている人だが、その絵は、海外に影響を与えたばかりでなく、実は海外の絵の影響を受けたものでもあったのだ。 今ならマンガで当たり前に使われているパース線も新しいものだったのだ。 8・「機知+滑稽・風刺の心~歌川国芳」 斬新なものを生み出すには、文化の成熟が必要であるらしい。 それまでは関西中心だった「ギョッとする絵画」は、北斎からは江戸中心。 特に「風刺」というのは、世の中を斜めに見る力が必要なので、幕末を待たなければ誕生しなかったのだろう。 楽天ブログランキング←クリックしてください 楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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