新潮文庫。1971.9.20。1972.5.10第三刷。
初期の作品集で、「三人の小市民」「埃と燈明」「為助叔父」「友情」「遙かな国 遠い国」を収録。
このうち、「埃と燈明」「為助叔父」はすっかり忘れていた。
始めて読んだのは30年以上前のことで、その時も良く理解できなかったが、今回もよく理解できなかったのは「三人の小市民」の真ん中の短い話である。
夜空を見上げるところでは、宮澤賢治の「銀貨鉄道の夜」を連想してしまうのだが、世界は異なる。
今読んでみると、時代を感じさせるものが多い。
「赤新聞」(p112)など、今ではすっかり死語だ。
「遙かな国 遠い国」は、実際に船で長い旅をした経験をふまえて書かれたもので、「甲板」には「かんぱん」とルビが振ってあるが、「甲板員」には「こうはんいん」とルビがついていた。
読み方を変えるものらしい。
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