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2010.02.07
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カテゴリ:江戸時代を知る
 『耳嚢(上)』から、印象に残った話を現代語訳で紹介する。

 明和の頃、仙洞御所の御普請があって、松本某などが上京したが、帰った後に話したことには、公家はいずれも貧窮していることが多い中で、松本の宿の向かいに身分の低い公家がいたが至って手元不勝手のように見受けられた。ある日、宿の亭主に、
「何という公家か」
と尋ねたところ、
「何某お申すお方で、いたって不如意にてあらせられます。それについていたわしい話がございます。長年召し使っておられる女の童があります。夫婦ともに不便をかさねておいでで、もはや留め袖を着せる年頃なので、留め袖・物詣でを気にかけていらっしゃいますが、費用の差し支えがあって心に任せぬと、わたくしにお話しになったことがございます」
と言ったので、
「どれほどの費用だ」
と尋ねると、わずかばかりの事だったので、あまりのいたわさに、
「わずかなことではあるが、わたしから参らせる筋はない。その方へ使わすから、その方からよく取り計らって差し上げるのがいいだろう」
と言ったところ、その亭主が二、三日過ぎて松本へ言うことには、
「この間の趣を申し上げましたところ、志のほどはいかばかりうれしく思し召しでした。内々ながら関東からの助力があっては心が済まない。その方より立て替えてもらうのもそのいわれがない。こころざしはうれしいが心の底にその趣が残ってはいかがか。断ってくれとのことで、都合がつかないながらもつり繕いなさって、このほど、袖留め、宮詣も済みました」
と言ったとのことだ。立派なことだ、と松本が語った。

 公家の貧窮を語る話はほかにもあった。もっとも、江戸の武士も貧窮していることが多かったようだ。「関東よりの助力」を断るというのは公家の意地。
 「立派なこと」と訳した部分、原文は「やさしき事」。





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Last updated  2021.12.18 23:27:36
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