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副題は「“法の現場”の仕事人たち」。
講談社現代新書。 1989年12月第1刷。 すでに絶版のようだ。 弁護士の仕事の内容をわかりやすく説明している。 弁護士は誰の味方か? 正義の味方ではなく、依頼主の味方である。ただし、弁護士は依頼主を選ぶことができる。 この論理は明快である。 裁判員制度が始まった現在と、執筆当時とでは状況が異なっている。 著者は、陪審員制度の導入を求めており、論理的には説得力はある。 しかし、あまりにも市民に負担を強いることになりかねない、というところまでは想定していなかったようだ。 裁判官と検察官の間の交流はあるが、弁護士の経験者が裁判官や検察官になることはまずないという。 その点の改革も強く訴えている。 校正ミスを発見。 ときには泥試合となり(p78) 正しくは「泥仕合」。 冤罪について述べたところを引用しておく。 冤罪《えんざい》事件は、そのような捜査官の個人的な資質によって作り出されるものではない。むしろ捜査機関は、その職務に熱心なあまりつい誤った先入観、思い込みによって冤罪事件を作り出す危険性があるということを前提として、これをチェックするシステムを作り上げることこそが大切なのである。(p194) 著者は、起訴された被告人の有罪判決率が異常に高いと主張している。 今でも、マスメディアが取り上げない冤罪が作り出されているのだろう。 楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.01 09:22:20
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