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俳優・殿山泰司の後半生を描いた映画。
竹中直人が殿山泰司を演じている。
何度も一緒に仕事をした新藤兼人が、自分の作品を中心に、白黒映画時代の殿山泰司から、その最期をまで描いている。昔の映画はその映画をそのまま使っている場面もある。共演の多かった乙羽信子が、証言者として思い出を語っている。
癖のある俳優だと思っていたが、豪放磊落というか自由人というか妻(吉田日出子)がありながら他の女性(荻野目慶子)と一緒に暮らしている。まさに個性派で、「
愛のコリーダ 」では下半身を露出している。
新藤兼人の映画制作は、スタッフもキャストも一緒に合宿生活で行われていた。出演者の中に、それに批判的なことをいう者がいる場面もある。
竹中直人は、できるだけ殿山泰司に近づけようと、声を作って演じている。
なかなか面白かったが、殿山泰司を知らない人が見ても面白いと思うかどうかはわからない。
松竹は、昔の松竹を描いた映画を時々作るが、だれか、松竹で活躍した脇役俳優を主人公にして、その人の映画を通じて松竹映画史を描いてみたらどうだろう。