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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2011年10月15日
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カテゴリ:ムーヴメント
  781


 雨がやむ時

 誘惑に打ち勝つ

 涙は

 記憶の

 傷を癒す


  782


 芸術にも

 影がある

 アトリエに置かれた

 静物画のような

 微笑


  783


 霧深い町角で

 幻の三階がある

 眼はおつとりと

 柔和に見ひらかれ

 忘られた夜を想う


  784


 窓は夜風に

 街燈は

 鉛の如く重たく

 月は低く懸つて

 昼過ぎた後のけだるさ


  785


 ふいと初秋の

 あの木から

 落ちたと見える 

 どろつとした柿

 
  786


 舞台に用いられる

 道具ではない

 君の魂を見たい

 秋の陽はうらうらと

 誰もかれも打ち寛いだ10月


  787


 せめてものなけなしに

 唇に

 紅を塗ろう

 夏には人一倍弱い

 盗汗の 器に


  789


 僕は思つた

 この気持ちが冷めないうちに

 東が白む頃までに

 酔いも一時に

 ああこのいらだたしさを噛む前に


  790


 一向うだつがあがらない

 突つぱらずに言えば

 売り払うものばかりあるのに

 何故この悲しみは

 表情に浮かぶ

 夜に染まる


  791


 電話はいつになつても

 お遊びごとのように

 石にこはれる不出来な

 ほんの少しのおませなゲームで

 
  792


 ただかなしげなことは

 忘れてしまいたい

 こうしてずつと夜まで押しとおし

 カーテンにすつぽりと隠れるまで

 どうかぼくの気持ちよ

 見つからないで逃げおおしてくれ


  793


 あたらしい希望は

 夜のうちに

 卵となる

 ひび割れてゆく粘土のように

 知らず知らず浅墓な手に


  794 神の夜


 人は
 
 成熟の頂点に達して

 告解をすなおに受け入れる

 泣いてあらわす

 暗い影のうつくしさに


  795


 彼女の心は冷たい

 はなはだ平明な

 死という肺を病み

 こういう僕は

 壜のなかの手紙を憶うのです


  796


 一と目も見なければ

 堅い鉄筋コンクリートと

 同じでしょう

 その眼は何を語るというのでしょう

 何かうつとりと生温かい気持ちの底に


  797


 人の心なんて

 わからないでしょう

 ひどい事を言うのは鏡ゆえです

 洗面所の鏡に

 あなたが毎朝言う台詞と同じ


  798


 俯向いている

 夜の日は

 秋風より

 枝々を折る

 雪の重さに似て


  799


 自分にも

 エゴイストに

 なりきろうとする

 変装や仮面もあつて

 隠しきれないものは

 水を湛えるような事もなくて


  800


 とんで行つてしまう

 鳥のように

 みがるな風の飄遊する池に

 しのび泣きかと思われる

 つめたいしろい膚の声が


  801


 悲しみを忘れなさい

 打ちひしがれるほどに

 それはあなたの日々となる

 夜が明けるたびに

 あなたの沈黙が声になろうとする

 忘れなさい一時の迷いを


  802


 それから何年経つたか

 知れないけれど

 後ずさりすると

 また同じ景色が広がって

 窓から一つとび越えられそうな

 隣合う車両


  803


 冬陽が射している

 公園で

 気持ち悪く圧え付けていた

 あの葛藤は何だつたのだ

 夜が来るまで

 ちつぽけな蝿の夢を見ていた


  804 


 アクセスアップをもくろむ

 巡回ソフト

 来る人、来る人の歪んだ名前

 この人は多分

 心を病んでいる

 
  805 


 コメントや掲示板に

 それとわかることを

 書き遺す輩

 儲けるための何とかサイト

 ありがとう犯罪者


  806 

 
 毎日夜になると

 謎の足跡

 「ああアイツ巡回ソフトだな・・」

 ブログ規約には

 婉曲的に取り締まるとあり


  807


 あいつを殺せよ!

 いやすぐに銃殺刑を執行せよ!

 眠らない国の

 曖昧模糊とした部分が

 澱んでいる

 キチガイはキカイみたく


  808


 平和になってほしいねえ!

 無理だろうねえ!

 でもみんな自己主張するけどねえ!

 じっさい口にはしないものねえ!

 たんなるポーズということかねえ!

 というか涙も枯れてるだろうしねえ!


  809


 愛していないを

 百回言っても

 正しいことは蓄積される

 だって彼は

 その粘着質のしつこさで

 愛の憎しみについて語った


  810


 たとえばあの人は

 もうイカれてます

 イカです

 イカ臭くて

 そこだけイルカで

 いいものあるだけッテないです


  811


 もういいんじゃないの

 だって疲れてるじゃない

 けれど優しさは

 いち度 

 枯れれないと見つからない


  812


 君は閉鎖されたのかい

 どうしてだい

 それを何故

 きちんと説明しないのだい

 謎が残される

 ミクシィな女の子


  813


 頑張ります

 を繰返す男の子が

 ある日

 疲れましたと言った

 そうだね! 

 無理してる方が頑張っているよね


  814 


 工場で

 河童の話をする

 僕とおじ様

 近頃 ふっと

 河童の皿には

 お金を載せてもいゝと思ふ


  815 というような、気持ち


 工場の隣に

 黒いブルドッグ顔した

 小さな犬がおり

 近頃は吠えない

 臆したか! バカ者


  816 というような、気持ち 2


 仕事場で

 ぼおっとしていると

 眠たくなってしまうので

 やたらビュンビュン動く

 もしかしたらぼく!

 エイトマンになれるかも


  817 というような、気持ち 3


 灯油に携帯落として

 ぶっ壊した人は

 稀であるかも知れないと思う

 ああ 落とさなければ

 いま その携帯に

 1000人の女の子から連絡が!


  818 というような、気持ち 4


 昼休みに 

 頭の中で 

 にゃうおーの練習をし

 工場にお稲荷さんがあるので

 キツネよ、我はもう既に

 ネコに憑かれておる!


  819 というような、気持ち 5


 ガムテープで

 段ボールを

 中パレなどというものに貼り付ける

 時々不細工な出来上がりを見るたびに

 ブラックジャック先生みたいね

 おほほ!


  820 というような、気持ち 6


 工場の一番ふしぎなことに

 カマキリの飛来があり

 彼はよく颯爽と登場する

 バッタやコオロギはいもしないのに

 カマキリが登場するのは

 やっぱり切断工場だからなのかなあ


  821 というような、気持ち 7


 ロッカーはこれで三つ目

 たらい回しといえるのか

 鵜呑みにして応援なのか

 ああロッカーを使うたび

 毎回入れ方を替え

 これはぼくの詩と一緒だなあとも思い――


  822 というような、気持ち 8


 バイクで走っていると

 写真詩の影響か

 風景を切り取ってフレームに入れる

 この角度がいいな

 こういう取り入れ方があるな

 そしてその能力まったく無駄であり


  823 というような、気持ち 9


 蛇がいる場所を

 Mとするなら

 Nを蛇がいそうな場所と思う

 Iはそれゆえに

 蛇おらぬ虫かと

 地図記号のように思い


  824


 これだ!

 ということを見つけたら

 修行に励んで欲しい

 努めよ、見つけよ

 いつまでも散漫に

 過ごすことなかれ


  825


 詩は

 みだりな雑談ではない

 数字が虫に喰われて穴があくように

 そこにはそれなりの経緯がある

 人がどう思ったか

 彼がどう在ろうとしたか


  826


 うつくしい言葉を

 列ねる人が

 日本語はと言う

 厳しさと真剣さが足りない

 詩人という生き物は、

 全人格こそ言葉である
 

  827


 彼は神に問うたかも知れないが

 真の神を

 否定しない者に

 夜があるだろうか

 その昼があるだろうか

 ありのままだろうか


  828 


 貴様! 何を考えておるのだ

 飛び蹴り

 ゲンコツ

 詩人が女にうつつを抜かすとは

 腰から下はケダモノか

 夜の営為が逃げてゆくではないか


  829


 もし私が師なら

 あなたを見下げ果てた者と言う

 幾夜もあなた達は

 愚痴をこぼしため息をつくのか

 時間を惜しまず

 日々の享楽を満たすのか


   830

  
 自分の仕事が出来る者が

 何故他人の仕事が出来ないのか

 一人の重たさにかまけ

 それを試練と課題と思わないのか

 あなたは日々を何と心得ている

 すべては一致する! 統合する!


  831


 好奇心や興味というものは

 撮影し現像されるものだ

 旅の風景は思わせぶりだろう
  
 しかしこのアルバムの中に

 わたし達は一つの真を見る

 おお! 彼も永遠を探していたのかと・・


  832


 日々間違ったことがある

 しかしそれを間違っていると

 正すことではなく

 学ぶことから始めなくてはいけない

 あなたが指摘したことは

 いずれ違う形であなたを指摘するだろう


  833


 言葉とは何だ

 真とは何だ

 生命とは何だ

 神とは何だ

 尽きせぬ詩とは何だ


  834  


 もし背中に銃があてられたならば

 私はその時に何を呟くだろう

 死を理解して神と和解するか

 それともこの人生の不条理を嘆くか

 どちらでもない系図である

 私は飽き足りない修羅である


  835


 他に何を失っても

 得たいものがあるなら

 それは必ず

 あなたの生き方に係わってくる

 正しい道は

 かぎりない遠路のように思える








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最終更新日  2015年08月07日 11時39分33秒
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