カテゴリ:原子力発電
今まで原子力発電に無関心だった自分が、このところ、原子力発電に関心を持ち、本を読んだり、You Tubeを見たりしています。にわか勉強ですが、原子力発電のことを知れば知るほど、驚き、腹立たしくなります。自分の無知さにも腹立たしくなります。 3)そして何よりも、原子力発電をすれば必然的に、使用済み核燃料という放射性廃棄物、いわゆる死の灰が、生ずるという大問題がある。これも小出裕章氏によれば、 ひとつの標準的な原発が1年稼動すると、なんと広島原発の1200発分!の死の灰を生ずる。日本全体で年間4万8千発分の死の灰が生じている。すでに日本 の原子力発電所で、これまでの累計で広島原発120万発の死の灰が発生しているというのです! そしてこれらの放射性廃棄物は、半減期がやたらに長い。 1トンの使用済み核燃料の1000年後の放射能レベルは、最初の核燃料1トンを製造するために使用したウラン鉱石全体に含まれていた放射能レベルの10倍であるという!(高田純著、世界の放射線被爆地調査 講談社 ブルーバックス B-1359 59ページ) 原子力発電すればするほど放射性廃棄物が増えて、それの管理に1000年から万年単位の管理が必要になる。膨大な量の、気が遠くなるほど長期間の放射能を持 つごみ。そのごみの安全な処分法が見つかっていないのに、どんどん作り出し続けている原子力発電。これがなぜクリーンと呼ばれるのか? 4) 以上の1)から3)は、事故が無い、通常に運転をしている場合である。事故がなくとも、これほど被曝や放射性廃棄物の問題が大きいのに、もしも事故が起 こったらどうなるのか。それが福島原発事故で現実になってしまった。ひとたび事故が起これば、これほどおそろしい汚染が広がる。そういう危険を原子力発電ははらんでいる。 5)以上の1)~4)のダーティさだけでも実に立派なものですが、さらにもう一重のダーティの上塗りがある。原子力発電を推進する人々が、これらの問題点を隠しているという点です。内部被曝の危険を隠し、労働作業者の被曝を隠し、安全対策の無策を隠し、「他のエネルギーがないから必要なのだ」ということにして、原発を作り続けて現在に至っている。そして今回の福島事故でも情報を隠し、被害を過小評価し、安全としか言わない。 「原子力発電所」には五重の壁があるから大丈夫、などと言われていましたが、これが実にもろい壁であることが今回の福島事故であらわになりました。 「原子力発電」にも同様に、上記1)~5)の「五重の壁」があるようです。厄介なことにこの壁は、「原子力発電所」の壁と違って、実に頑固で頑丈で、ほとんど乗り越えがたい難攻不落の壁のように思えます。。。 福島原発がこんなになっているというのに、電力会社は原発を止めようとしない。原発を作るメーカーの認識もかわらない。たとえば4月15日の東京新聞に乗っていた、東芝社長のインタビュー。エネルギー政策の中での原子力発電の位置づけはどうなる、と訊かれた東芝社長の答えは、「エネルギーの安定的な確保と、二酸化炭素の排出規制の問題を解決する、本当に有力な選択肢であることは変わらない。」 みんな、これでいいんですか?
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