カテゴリ:マーラー演奏会(2012年)
7月13日、二日目です。
初日は、本当にすばらしい9番でした。 二日目は、それを途方もなく上回る9番でした。 第一~第三楽章、初日と比べテンポは、かなり遅くなっていたと思います。オケは、ホルンをはじめ各声部が初日よりも緻密さを増し、オケ全体のまとまりも、(途中若干のほころびはあったものの)、初日よりもずっとまとまっています。それで音楽の立体感、スケールが大幅にアップし、大植さんの生命肯定のうたが、あぁ初日よりも一段と心にしみてきます。 第三楽章半ば、1番トランペットの秋月さんが、つかの間の夢のような美しいソロを完璧に、うっとりと聴かせてくれるころには、もう昨日とはまったく違う次元の音楽になっていました。 そして終楽章になると、テンポは一段と遅くなり、音楽はさらにその先の新たな世界に入り込み、羽ばたき、拡がっていきます。感覚的にはテンポがどんどん遅くなっていくような、どんどん深みに沈んでいくような感じです。ときに揺れ動くアゴーギグが大胆で、その変幻自在な揺れ幅に、さすがの大フィルも時々ついていけずアンサンブルは破綻しかけます。でもここまでの音楽世界に入り込んでいると、もはや、そういう乱れなどほとんど気になりません。 9番て、なんという曲なのだろう。大植さんて、なんという人なのだろう。 喜びも悲しみも、愛も諦めも、一切合切を受け入れ、肯定し、包みこんでくれる、大植さんの9番世界。 3年前と、現在と、世界は大きく変わっています。これからどう変わるのか。 今はただ、3年前と、今回と、大植さんの9番世界を体験できたことに、感謝です。 そしてこの感動を分かち合えた方々にも、感謝感謝です。 大植さん、あなたは本当にすばらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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