2015年8月22日 井上喜惟指揮・マーラー祝祭オーケストラの演奏会を聴きました。
ハチャトリアン ピアノ協奏曲 変ニ長調
マーラー 交響曲「大地の歌」
指揮:井上喜惟(ひさよし)
管弦楽:マーラー祝祭オーケストラ(旧 ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ)
テノール:今尾滋
アルト:蔵野蘭子
ピアノ:カレン・ハコビアン
ミューザ川崎シンフォニーホール
井上喜惟氏の提唱により、アマオケのジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラが発足したのが2001年です。最初の6番(2001年11月)を皮切りに、マーラーの交響曲を少しずつとりあげてきました。川崎市の協力を得て、今回マーラー祝祭オーケストラと改称し、大地の歌を演奏し、そして来年2月に8番を演奏して、16年がかりでマーラー全交響曲を演奏し終わる予定だそうです。
僕は順に5番(2004年)、3番(2006年)、1番(2007)年、2番(2008年),6番(2回目の2009年の方)を聴きました。出来不出来はあるものの、超絶的な遅いテンポで暖かな感動を呼ぶ3番、やはり超絶的な遅さとカウベルの「舞台裏の両翼配置」などのこだわりが素晴らしかった6番、いずれも個性的でかつ普遍性のある名演でした。6番の感想はこのブログにも書きました。
その後の7番(2010)年、9番(2012年)、4番(2013年)、は、いずれも都合がつかず聴くことができませんでした。また昨年夏の10番は入院のために聴けず、非常に残念に思っていました。今度の大地の歌は、ぎりぎりまで聴けるかどうか微妙でしたが、なんとか都合がついて、当日券で聴くことができました。
井上氏はかねてからアルメニアと縁が深く、その関係で本日のプログラム前半はハチャトリアンのピアノ協奏曲を、アルメニア生まれのアメリカ人ピアニストとともに演奏しました。アンコールには、このピアニストが作曲した、アルメニアのジェノサイドに関する作品が弾かれました。
そして大地の歌。弦は左からCb,1stVn,Vc,Va,2ndVnの対抗配置で、舞台上手(向かって右)端にハープ2台、その奥にチェレスタ。今回は特別遅いテンポではなく、しかし井上氏ならではの味わいある音楽を聴かせてくれました。特に終楽章は、彫りの深い演奏で、アルトの歌も素晴らしく、感動しました。オケも5番当時より技術的にずいぶん進歩して、アマオケとして十分に健闘しました。
来年の8番も、極力聴きたいと思います。そしてその後も井上氏は、独自のマーラーを演奏し続けていくことと思いますし、それを楽しみにしています。
会場でCDを販売していました。去年聞き逃した10番のCDを買って、感動の余韻に浸りながら帰りました。