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カテゴリ:モンゴル国立大学・学校、教員
先週のある日、私の授業の通訳をやってくださっていた同僚のSSさんから電話がありました。
聞けば「今日午後1時から、新経済学部長から会議があるので来てほしいと連絡がありました」と言うことです。 実は、学部長が皆を集めて話すのは2回目です。前回の会議で、全てモンゴル語だけで、しかも発言する必要もなかった経験があったので(3月17日付け、本ブログ参照)「どうせ行っても、モンゴル語だけで話すだけでしょ?私はいいですよ。学部長とは個別で話しますから。」と言いました。 ですが、彼が言うには「今回は全員ではなく、何人かを指名しているので、是非出てほしいと言われてます」だそうです。 うーん、モンゴル語の授業の方が私には大事で意味あるような気もしますが、SSさんは伝言頼まれただけで、私が彼にそういう否定的なこと言っても彼が困るだけです。結局「わかりました。とにかく、行きます」と言って、その日の午後、行きました。 行ってみると、顔の知らない人が結構いました。他の学部の人もいるらしいです。私の隣には、アメリカ人の先生もいます。今ではこの学部には、私と彼だけが外国人の先生です。しかも真ん中に座れと言います。何やら、単なるオブザーバーではなさそうです。 会議が始まりました。最初だけ、この会議の趣旨を英語で少し説明していましたが、案の定、後はずっとモンゴル語オンリーです。しかも、最初に言ったのは「これから話し合うことについて、お二人(私たち外国人)にアドバイスをもらいたい」と言ってるのにです! 始まってから、学部長の隣にいる古臭い感じの人がなんだか演説調でずっと一人で話してます。会議というよりは、単なる演説会か、所信表明みたいです。 そもそもこの国の人たちは、会議の進め方を全然わかっていません。この国というのは大げさですが、この大学ではいつもそうです。議題は「思いつき」のように突然決まり、召集も突然。 事前に資料などの準備は全くなく、その場で起案者が勝手に何か言ってるだけ。この会議も、誰も何も発言しません。こんな状態が1時間も続いているのです。 私はいくらなんでも、つまらないわ、眠いわで、超やる気をなくしていました。会議中の態度としては不適切なほど「あー、つまんねぇ」という態度をプンプンさせていたと思います。 「だから、こんな会議に来たくなかったんだよ」と強く思いました。結局、1時間ちょっとを過ぎたところで、私はその部屋を一人だけで出て、モンゴル語のクラスに向かいました。 後日「あの会議はなんだったのか?」など、出席者に聞く気も起きず、「今後は、ああいう会議は呼ばれても出るまい」と思っただけでした。 その後、学部長と廊下ですれ違った時「先生、今度会ってゆっくり話しましょう。都合の良い時間をメールしてください。」と言われました。もちろん、学部長と1対1では会いたいと思っていましたから、了解しました。 で、会ったのが昨日の月曜日です。とても日本語が上手で、優しい感じの人です。京大で博士課程を終了されたほどで、日本語の習得には大阪外国語大学での日本語学習よりも中華屋でのバイトの方がずっと上達に役に立ったとおっしゃってました。 日本に多くいる、居酒屋さんとか食堂、コンビニなどでバイトしている青年らは、こうして将来国を背負っていく立場になる人がたくさんいるんだろうなと思いました。 改めて、私の自己紹介をしたときも、とても真摯に聞いて下さって、随分謙虚で優しい方だなと思いました。前の研究科長に誘われて来たわけで、新しい学部長が偉そうな違うタイプだったらどうしようと心配していましたが、全くの杞憂でした。 なぜなんでしょう、モンゴルには尊大な態度の人が多い中で、日本帰りの先生はとても謙虚で好感が持てます。しかも、アメリカ帰り、ドイツ帰り、ロシア帰りが多い中、こうして2代続けて学部長ですから、日本帰りは出世するのでしょうか? 私の経歴を話しているうちに、段々学部長の目が真剣になってきます。そして、今大学で考えているプランをいろいろ教えてくれました。 私は「でも、そういう計画は経済学部だけでやろうと思っても、なかなか難しいでしょうね。」と言うと「いいえ、この話は学長(最近新しくなった新学長)が希望しているのです。」と言います。「学長さんは、どの学部の方ですか?」と聞くと「物理学」だそうです。 そのプランとはおよそかけ離れた学部に思えますが、どうも学長は真剣らしいです。最後に「是非、先生のお力を貸してください。」とまで言われました。もちろん、私でよければ手でも足でも貸しますが、どうも過大評価してしまっているようです。 私はこの大学へ貢献できることはできるだけやります、と言うと同時に「でも、こういう(伝統的な)大学で大きなこと、新しいことをやろうとすると、大変でしょう。私はドクターはおろか、マスターもないですから。」と言うと、笑って「そんなもの要りません。そういう先生はたくさんいますから、大丈夫です。」だって。 そしてその晩、「明日の朝10時に学長が会いたいと言ってます。よろしいですか?」とメールが来ました。この学部長、随分行動が早いです。しかも、学長もそれに乗っている。 一体、どんな話になるんでしょうか?ここはモンゴルです。当然、話半分以下にしか聞いてません。本ブログでは当面は、詳細はご報告できないでしょうが、少しだけでも何かをお伝えします。 で、今日31日午前に学長に会いに行きました。会って、びっくり。本文上記にある >学部長の隣にいる古臭い感じの人がなんだか演説調でずっと一人で話してます。 この古臭い感じの人が実は学長だったのです。いやー、参りました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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