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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2017.10.26
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カテゴリ:モンゴルと中国
その上で言えば、遊牧民を中心とするエリア(ユーラシア乾燥地帯)東部にあるモンゴル高原を中心とするモンゴル族、中国とインドの間にある高原・山間地帯を中心とするチベット族、そしてユーラシア乾燥地帯中部・南部のオアシス地域・トルキスタンを中心としてきたウィグル族の居住地域は、中国・中原の田園地帯を中心としてきた漢人の地域とは明確に分かれています。

それは中国の歴史の本を見ればだれでもわかるはずで、中国史上のほとんどの時代はこれら異民族の土地は「他国」と扱われてきました。

次は血縁関係です。これは土地よりももっと明確に分かれています。ある種の種族と言いますか、生物学的なことも含めいわゆる漢族とこれらの3民族は違います。

例えば日本人にもある「蒙古斑」ですが、これはモンゴル人にはありますが、漢人にはありません。一部で「漢人にもある」という人がいますが、それはちゃんと歴史を学ばないといけません。

そもそも清国も元はもちろん、隋や唐やその前の金だって統治者は漢人ではなかったのです。この5王朝は全部北方の遊牧民や遊牧・狩猟民族系です。

こうした民族が漢人中国を征服していたので、混血があったのは当たり前ですから、蒙古斑だってどこに出没するかはわかりません。

次は言語です。これも全然違います。モンゴル語はアルタイ系ですし、ウィグル語はモンゴル語と同じ体系を持つと言われるトュルク系です。当然ですが、語順から文字まで全部漢語とは違います。

チベット語はよくわかりませんが、チベット・ビルマ系と言われていますし、チベット語の表記はサンスクリットを表すために作られたとも言われていますから、インドの影響が強いようです。

そもそもこんなに長い間隣合わせにありながら、なんで漢字の影響が全くないのかが不思議です。漢人の中実質的にはいろんな民族に分かれていますが、それでもなんとなく「漢人」というアイデンティティがあるのはこの漢字という文字ですし、漢人はこれには強烈な誇りを持っています。

そんなに立派な漢字がありながら、なんで「同じ中華民族」であるこれら3民族はいずれも漢字を使わなかったのでしょうか?

これら3民族の文字の方が漢字よりも遅かったのですから、いくらでも「同じ中華民族」に伝える機会があったはずです。海を隔てた日本に伝播するよりもよっぽど簡単でしょう。

宗教についても明確に違います。チベット族は当然チベット仏教ですし、モンゴル族は「ダライラマ」の命名者であるほどで、当然チベット仏教です。

ウィグル族は昔は仏教だったようですが、現在は強烈なイスラム教なのはご存知の通りです。中国には、仏教もイスラム教も入りましたが、共産党以前でもこの2大宗教は中国の主流宗教とはなりませんでした。

伝承も当然違います。いつまで遡るかは別ですが、例えばモンゴル族やトュルク系の民族はテンゲル信仰があり、民族の祖先は「狼」や「鹿」などの動物が出てくる伝説があるのは、よく耳にすると思います。

漢族にとっては何でしょうか?始皇帝で有名な秦でしょうか?実はこの秦も漢族ではなく、北方の遊牧系だという話もありますが、まあ、いいでしょう。そこにアイデンティティがあるとしても、この3民族はそんなことこれっぽちも思っていません。

あえて秦をいうのであれば、モンゴル族にとっては、この頃の「ご先祖」は匈奴です。モンゴルではフンヌ、と言います。漢人が自分たちの始祖と信じる秦の時代にこの匈奴は北の大国として存在していたので、これは100%自らの始祖が違うと信じていることの証明でもあります。

(続く)





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Last updated  2020.04.04 12:59:21
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