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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2022.02.02
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カテゴリ:ユーラシアの歴史
サイハンシンレーレー!!あけましておめでとうございます。今日はモンゴルのお正月ツァガンサルです。

本来であればUBの街中を多くの人々が親せき、知人の家を行きかい、新年のあいさつをする日です。私が子供の頃は、日本でも親せきの家、知人の家へのあいさつは多くありました。サラリーマンだった父のもとへも、結構多くの人があいさつに見えましたが、もちろん今ではほとんどありません。都会であれば、特にそうでしょう。

昭和のころは、正月3が日はほとんど仕事であいさつに回ることはありませんでしたが、4日とか5日の仕事始めには、お得意様回りあるいは銀行回りなどありました。そして7日くらいから15日くらいまでは業界団体の新年会など、まとめて新年の挨拶をする機会も結構ありました。

ですが、その後平成になり、令和になり、更にはコロナになって、恐らくそんなものはほとんど誰もしなくなったでしょう。なんせ「たくさんの人が一か所に集まること」は悪いことなんですから。特に、公式行事っぽい新年会(業界団体など)はほぼ禁止でしょう。

こういう習慣は、ネットや世代交代などで、基本的には年とともにすたれていくと思いますが、このコロナで2-3年やらなくなると、もうコロナが終わっても復活はしないんじゃないかと思います。基本的には「必要なこと」ではないのですから。やりたがるのは、その年に選挙がある政治家くらいなものでしょう。

モンゴルも昨年に続いて、公的なツァガンサルの行事は中止です。街を行きかう人々も相当減ったそうですし、そもそもこの時期田舎に帰る人もかなり減ったことでしょう。まあ、近場に住む親せき同士で会う程度です。以前は各家庭で1000から2000個は作っていたホーショール(モンゴル式小籠包のようなもの、もっと肉が多いけど)も、今ではもちろん半分以下でしょう。

昔からの伝統行事というのは、基本的にはどの国でもすたれて行くものだと思います。その理由はどの国も同じでしょう。一つは都市化。多くの子供たちが都市部へ移り住み、頻繁に家族で会う機会が減ったのはどの国でも同じです。

第二には、それと共に地域コミュニティの緊密性はどんどん薄れていくことが原因でしょう。日本の場合はさらに地方の高齢化という問題もあります。今では、田舎で昔のような祭りをやるのは大変なことです。

ですが、モンゴルでも日本でも平和な新年を迎えることができるというのは幸せなことです。先日、アフガニスタンの最近の情勢をニュースで見ていたら、今アフガンの人々は非常に生活に困っている、という報告がありました。

タリバン支配になって、再び中世かと思うような世の中に戻り、殺人、虐待なんでもありの状態です。それに加えて、干ばつ被害がひどく、しかもタリバン政権になってから世界からの援助もほとんどなし。国民のほとんどが貧困層となり、苦しんでいます。更にコロナ・・・

一体どこまで辛い運命にあるのかと思えば、まだ「普通のアフガン人」はましなんです。下には下がいるのです。それが「ハザラ人」です。ハザラ人については本ブログでも何度かお伝えしていますが、はっきり言ってほとんどの日本人には馴染みもなければ、同情もないでしょう。

テレビでもほとんど見たことありません。ですが、そのハザラ人がひどい扱いをされているとの報道がありました。ハザラ人の祖先はモンゴル人です。チンギスハーンの時代に中央アジア一帯を支配した時に進出したモンゴル人の一部がアフガニスタンに残っていたのです。

800年もたっているのですから、人種・民族的にはモンゴル系ですが言葉はすでに現地語になり、宗教もイスラムです。普通に考えれば、完全に現地化したと考えられます。

日本だって、鎌倉時代に朝鮮半島や中国から来た渡来人は既に完全に日本人化しています。名前から、朝鮮や中国から来た人かな?なんて推定できる人なんて、全て明治以降に日本に来た人であり、それ以前の人たちがどこから来たなんて、今の私たちにはうかがい知れません。私自身、目が細いので(笑)恐らく大陸か半島から来た人がご先祖様ではないかと思う次第です。

ですが、ハザラ人は違うのです。明確に「元モンゴル人」と認識され「アフガン人にとっては誰からも差別される人たち」なのです。ある種の、インドのカーストみたい、しかも最低層の人たちなのです。タリバン以前から、迫害、差別を受け続けてきたのです。

ネットなどで調べると「シーア派とスンニー派」などともっともらしく宗教的な理由が書かれていますが、理由はもっとシンプルです。「800年前にお前らモンゴル人が来て、この地を蹂躙しただろう!?だから、今はその仕返しをするんだ!」ということです。これは辛いです。自分ではどうしようもないことですから。

ハザラ人を殺しても殺人罪にはならない、というのも聞いたことあります。このように以前から、差別や迫害はひどかったのです。都市部の清掃員の多くはハザラ人だと言われています。それ以外の職業には就けないのです。そんなひどい扱いを受けていたハザラ人が、今回のタリバン支配でさらにひどいことになっているそうです。

ネットニュースなどを見ると、もう書くに堪えない殺され方を日常的にされています。タリバンは一般市民に対してやり放題ですが、特にハザラ人に対しては何の躊躇もなく虐殺します。さらに問題なのは、ISです。あのイスラム国のISの生き残りが、アフガンに多いのです。ISとタリバンは敵対関係ですが、共通しているのはどちらもハザラ人へは簡単に虐待、虐殺するということです。

それにしても800年もの間差別されてきたモンゴル系の人々がいるということには驚きです。ハザラ人にツァガンサルの習慣が残っているかどうかはわかりませんが、穏やかな新年ではないことは確かでしょう。

モンゴル政府は何か助け舟を出せないものでしょうか?新年早々、辛い話ですいません。





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Last updated  2022.02.02 17:27:50
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