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カテゴリ:世界とモンゴル
クイーンというイギリスのバンドは、1970年代前半デビューでしたから、今の若い人たちには全くピンと来ない名前だと思っていましたが、映画「ボヘミアン ラプソティ」が世界的に大ヒットしたので、それでごぞんじの方も多いのではないでしょうか?
もちろん、この映画の題名でもある「ボヘミアン ラプソティ」は世界的に大ヒットした有名な曲です。その曲名は、元々は「モンゴロリアン ラプソティ」だったのが、歌詞の修正を経て原題名になったというのです。 クイーンのメンバーです。 ガオディアンというイギリスのネットメディアによると、「サザビーズでオークションにかけられるクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』の初期草案から、これまでバンドのファンや研究者には知られていなかった、1975年のヒット曲の別の仮題が明らかになった。」というのです。 そしてニューヨーク・タイムズ紙によると、「このロック・オペラの初期草稿15ページのうちの1ページで、ソングライターのフレディ・マーキュリーは上部近くに「モンゴル・ラプソディ」という言葉を書いたが、最初の言葉を取り消し線で消し、その上に「ボヘミアン」と書いたという。」のです。 どういうことか? フレディ・マーキュリーの所持品がサザビーズのオークションにかけられることになり、その中に『ボヘミアン・ラプソディ』の初期草案が見つかったというのです。「ボヘミアン - またはモンゴリアン - ラプソディの歌詞は、マーキュリーの落書きの中に、廃業した航空会社ブリティッシュ・ミッドランドの便箋に書かれていました。」と関係者は話しています。 これが実際の原稿の写真です。確かにこの便箋にはブリティッシュ・ミッドランドと書かれています。非常に見にくいですが、この写真をよく見てください。 上部には1974年のカレンダーが赤文字で書かれています。そのカレンダーの9月の下を見てください。太い二本線で消されている文字があります。この消されている文字が「Mongolia」なのです。そしてその消された線の上には「Bohemian」と書かれています。 つまり元々は「Mongolia」だったのを、フレディ・マーキュリー自身がそれを消して、「Bohemian」に書き直したのです。もちろん、今まで音楽の専門家でも知らなかった事実ですから、本当の理由はわかりません。ですが、推測はできそうです。 それは「ボヘミアン ラプソティ」の意味を探ることです。Rhapsodyというのは、「自由奔放な形式で民族的または叙事的な内容を表現した楽曲」という意味です。なるほど、映画でのフレディ・マーキュリーのイメージそのものですね。 Bohemianというのは、「世間の習慣など無視して放浪的な生活をする人。」という意味です。元々は、自由な移動生活をするジプシーの人たちを指していた言葉で、そのジプシーがチェコのボヘミア地方に住んでいたので、こう呼ばれるようになったのです。 つまり、最初はある人間の集団の生活していた地方を指していたのが、段々とその意味するところが放浪的な生活をする人、となっていったのです。こう考えると、フレディの頭の中では「移動民族?」「自由奔放?」それは英語で言えば「nomadic」と同じような意味となりますから、最初に「nomadic」が浮かんだのかもしれません。そしてnomadicと言えば、ヨーロッパ人の頭の中で一番最初に浮かぶのがMongoliaまたはMongolianだと思うのです。 本ブログでも度々触れているように、「現在のモンゴル国」というのは残念ながらあまり注目はされていませんが、ヨーロッパ人にとっては歴史的に「モンゴル」という存在は非常に大きなものがあり、学校教育どころか、おばあちゃんが孫の躾(しつけ)をするときにも使うくらい、浸透している言葉なのです。なので、当然、フレディの頭には「自由奔放な放浪生活」を言い表したいときに、nomadicの代表であるMongoliaが浮かんだのでしょう。 歌詞の内容は、ボヘミアンにもモンゴルにも直接関係ない言葉で綴られています。要すれば「ふらふらと適当に生きて来た少年が殺人を犯してしまい、最初はどうだっていいなんて思ったけど、悪魔やら神様のような存在に裁かれるときになって、やっぱり行きたい、逃してほしい、と本心が溢れて来たけど、時すでに遅し」という感じです。 とにかく、世界的な大ヒット曲の題名にこんな秘話があったとは驚きです。曲名や映画名が「Mongolian Rhapsody」だったら、なんか、観光客が増えそうな気がするんですけどね。ヨーロッパ人にとってのMongoliaの存在の大きさを再認識しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.06.03 07:47:41
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