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カテゴリ:東北地方
ここ数年、旅行に対する意欲がガクンと衰えているのを感じます。その気になりさえすれば行けなくもないし、行ったら行ったでそれなりに楽しめるであろうことは分かっているのです。でも旅に出たいって気持ちよりは、もっと時間を掛けたいと思えることがあって、そちらに時間を回したいと思ってしまうからどうしても旅に出るのに二の足を踏んでしまうのです。だからまあ、旅行といっても純粋な旅ってのはなかなかする暇がなくて、何かのついでにちょっと旅行気分を味わおうってことになるのです。今回はその理由がかなり不純でありまして、年老いていく両親の顔を見に行くという全くもって興趣に欠ける目的で何とか旅へのモチベーションを高めた次第なのです。すでに身バレしているので書いちゃいますが、両親は今、仙台に住んでいるので思い出したように仙台に行っているのですが、今の仙台はぼくの知っていた頃の仙台とはすっかり様変わりしてちっとも面白味のない町になってしまいました。久し振りに訪れた仙台は、特に仙台駅がとんでもない変貌を遂げていたりして、驚きはあったもののその驚きは必ずしも歓迎すべき驚きではなかったのです(ちなみに野暮用で多賀城にも行ったのですが、駅に併設した図書館がこちらもまた驚愕の変化を見せてくれ、こちらは地元の方が羨ましいと感じさせるものでありました)。それはともかくとして老夫婦が暮らす実家に行っても退屈極まりないので、どこかで落ち合うことにしようとなりました。しかしねえ、仙台付近で興味のある場所など限られています。そこで思い付いたのが、国の登録有形文化財にも指定される温泉宿だったのです。
訪れたのは、白石の鎌先温泉にある「時音の宿 湯主 一條」です。宿名は取ってつけたようでどうも気に食わないのでありますが(「湯主 一條」もしくは「一條」で充分ではないか)、木造3階建てという風情ある構えが非常に魅力的だったのです。急遽決まったことなので、値段も詳細もお構いなしに取り急ぎ予約を入れて(珍しく太っ腹!)、福島までの高速バスを確保(ここら辺はいかにもケチ臭い!)して、車中の人となったのでした。福島駅で昼食がてらの一杯という目論見は東北本線の乗り継ぎの都合でもろくも崩れ去ったけれど、宿での飲食には金銭に糸目を掛けぬこととしたのです。白石駅で両親と落ち合い、邂逅はそこそこに宿の迎車に乗り込むと一路マイクロバスは宿へと向かうのでした。にしてもこちらの温泉街は街としての体裁まではなしていないようです。他に現役の宿が二軒、カフェが一軒といった非常にこぢんまりとした陣容なのです。でも最近はこういった宿でまったりと過ごすというのも悪くないものだと思っています。一応は近隣を散策してみますが、どうゆっくり歩いても5分と持たぬ程度です。それで構わないのだ。何といってもここは温泉宿だから温泉を満喫すればいいだけのこと。って実はぼくは温泉に限らず風呂が苦手なのです。いや、38℃くらいのぬるい湯であれば1時間だって入っていられるのですが、それ以上に熱い湯だと5分どころか3分だってキツい位なのです。しかも風呂上がりの汗っていうのが大嫌いなもんだからこちらの2つの風呂、3つの浴槽をひと通り味見しても30分とは掛からなかったし、湯船に浸かっている時間より湯冷まししている時間の方がよほど長かったのです。でもまあ部屋に戻ってゴロリと寝そべりながらうつらうつらしているうちに早くもメインイベントの夕食の時間です。飲食するのが先から書いている木造3階建てなのです。居室のある新館から渡り廊下を通って本館に向かいます。この道中がたまらなく雰囲気がいいんですね。この廊下で一杯遣りたい位です。本館に入っても手入れが素晴らしく行き届いていてきれいでありつつも往時の面影を農耕に留める内装に思わず興奮してしまうのです。我々には立派な一室が用意されていて室内はどうということもないのですが、窓越しに表の風景を視界に含めてみると実に風情があるのでした。さらにさらに出てくる料理のどれもが綺麗なだけではなく美味しくて大いに満足しました。うっかり呑み過ぎてしまって、新館にあるバーに立ち寄る気力も湧かず、部屋に戻った途端にバタンキューとなったのです。お陰様で翌朝は体調も珍しく快調、これまた立派な朝食を猛然と食べたのでした。こういう旅なら今すぐにでも行きたいものだなあ。といったことで興味のある方は以下の公式HPをご覧ください。 https://www.ichijoh.co.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/11/18 08:30:10 AM
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