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カテゴリ:映画
30年近く経ったでしょうか。はっきりと覚えているわけではありませんが,10歳前後の頃,家族とドライヴ・イン・シアターに行ったことが未だに記憶に残っています。また,見に行きたいとネットを検索したところ驚くべきことを知ってしまったのです。
念のためドライヴ・イン・シアターとは,巨大なスクリーンが配置された駐車場で、車に乗ったまま映画を見ることができる施設です。ドライヴ・イン・シアターの第1号は,1933年6月のアメリカ・ニュージャージー州で収容台数約350台,スクリーンサイズが縦約9メートル、横約12メートル。入場料は車1台25セントに加えて、観客1人ごとに15セント加算(3人以上は一律1ドル)だったようです。その後,アメリカ各地に次々と開業していったようですが,本格的な流行は,第2次大戦後になります。駐車スペースや巨大スピーカーによる大音響を響かせても大丈夫なだけの広い土地が必要なことやマイカーの普及が遅れたことが理由であると考えられます。その後,車の普及とベビー・ブームに伴い住宅地が郊外に移っていったことにより,ドライヴ・イン・シアターの増加に拍車を掛けました。また,車にカーステレオやカーエアコンの整備されたことにより,騒音問題に方が付き,季節による寒暖にも耐えうるようになったことも関係していると思われます。 最大のドライヴ・イン・シアターはデトロイトにあったようで、最大3,000台もの車を収容できたということです。しかし駐車スペースは巨大ですが,スクリーンが追い付いていなかったので最後尾からは切手サイズ以下となってしまったようです。また,映写機の輝度の限界や排気ガスによるスモッグなども見難さの要因となったようで,やはりかなり無理のある施設だったようです。それでも文句ひとつでなかったと伝えられているようで,その頃にはジョン・カーペンターの『クリスティーン』やフランシス・フォード・コッポラの『アウトサイダー』で描かれたような不純異性交遊の場となっていたため,誰も映画なんか見ている暇なんてなかったのでしょうか。 (映画では他にも『ドライブイン殺人事件』、小説ではジョー・R・ランズデール『モンスター・ドライヴイン』などの怪作があるようです。) 注)ドライヴ・イン・シアターの詳細については,映画研究者の加藤幹郎の著作やウィキペディアを参照させていただきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012/02/06 10:16:35 PM
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