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カテゴリ:茨城県
ここで、時系列を前後入れ替えることにします。喫茶店の報告が連続してしまっては、喫茶店に興味のない方にはあいくつと考えたからです。酒場好きでご覧になってくださっている皆様には、旅の報告ではどうしても喫茶店が混じりがちになることをお詫びします。そしてできれば喫茶店にもほんの少しだけでも興味を持っていただけるようであればと思っています。
日立駅から水戸駅に向かう際、ふと気が向いて勝田駅にも下車してみることにしたのですが、喫茶店も数軒あるにはあったのですが財政状況もけしてよいわけではないので、見送ってただ駅前の飲み屋街は案外味があるなあなんてことを考えながら勝田駅を早々に立つことにしたのでした。 さて、久しぶりに降り立った水戸駅はかつて知る水戸とさほど違ったようには思えません。毎日毎日歩き回っていない限りはよほどの再開発にさらされた土地以外はそうしたものであるのかもしれません。かつて水戸を歩いた際には喫茶店にも酒場にもさほど強い興味を持っていたわけではないので、この何年か急速に高まった喫茶店や酒場への興味を含んだ視線をもってすればきっと以前視えなかった多くの風景が目撃できるはずです。 駅から偕楽園方面に大通りをひたすら歩くこと約2Km。その間2軒の喫茶店に寄ってはいるものの水戸の歓楽街は遠いなあと思わずにはおれないのでした。こんな遠隔地で呑んでJR利用の通勤客は大変だなあと思いはするものの大抵の人は路線バスを利用したり、タクシーに乗ってしまうのでしょう。お目当ての酒場に辿り着くもののまだ営業開始には早すぎたようで、せっかくなので開店前の大工町の歓楽街を散策します。かなりの数のスナックを中心としたお店があり、なかなかの風情ですが、酒場というよりは風俗系のお店が多く見受けられます。この後伺うつもりの「もつ焼 長兵衛」と同じ屋号の店舗もあって、ぼろっちくていい雰囲気ですがこちらも開店前。店をたたんでしまったかのような気配も感じられます。後ほど梅香の本店に行くことになったのですがそこの女将さんによると息子さんがやっているようで、こちらにもいつか訪れたいと思っています。 とまあ時間を持て余してやって来たのが懐かしささえ感じさせる今では見掛けることの少なくなった昔ながらの大衆食堂「お食事の店 いづみや」で時間を調整します。実は水戸という土地を歩きながら感じていたのですが、こうした懐かしい大衆食堂を5,6軒は見掛けていてそのいずれもに惹かれたのですが、夜のことを考えてぐっと我慢していたのです。こちらからさらに大工町寄りにも店名さえわからぬ食堂があってぼくはむしろそちらに行ってみたかったのですが。氷の文字に惹かれて「いずみや」に入ってしまいました。ビールもあるし、ちょっとした肴もできるみたいですが、らーめんやカレーライスが350円なのに目玉焼きで同じ値段を出すのはなんだか悔しいのでここでは酒はガマン。大人しくかき氷を食べることにします。氷イチゴがなんともうれしい150円。空調はいくらか効きが弱いけれどこんな子供時代に通ったような食堂でまったりと時を送れたのはとても運の良いことでした。 品書:ビール中:450,目玉焼/玉子焼:350,ギョーザ:320,野菜炒:300,肉野菜炒:400,らーめん/カレーライス/やきそば:350 さて、またまた大工町交差点からすぐの「乃ぐち」を覗きに行ってみます。それにしても飲み屋街のなかにあるわけでもなくて、なんとも情緒のないことです。そうまでして固執することもないかなあなどと思いながらも水戸まではめったに来れるわけではないので思い切って引き戸を開けてみることにしました。ガラリと扉を開くとカウンターではご主人がのんびりと開店準備中。どうぞということなので店奥に通していただきました。入って右手が小上がり、左手がカウンターですが、手前にはおでん鍋があってひどく暑そうなので奥に入ることにしました。ここに来たのは「吉田類の酒場放浪記」で紹介されたこともありますが、昭和8年創業という歴史を感じてみたかったから。名物の先代女将の紹介記事の切り抜きなどが貼り出されています。名物のおでんを適当に見繕ってもらいます。まあ、これといってどうと言った味ではありませんが、優しそうなご主人とぽつりぽつりと言葉を交わしながら呑むとA氏がいることすら忘れてしまいそうなひと時でした。ちなみに2階は恐らく同じ経営のスナックで、こちらもどうぞという張り紙がありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/09/09 08:44:15 AM
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