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カテゴリ:千葉県
松戸駅東口は全国的にも職員の給与が高いということで知られている(らしい)松戸市役所があり,呑み屋のほか風俗店もぽつりぽつりとあるのですが,飲食店街という形で密集することもなくどこかしらうら寂しくて,まるっきり心躍らぬ町並みとなっています。最盛期には相当に栄えたということも耳にすることがありますが,若干景気が回復傾向らしいとは言っても,まだまだ庶民には実感の乏しい現状にあって,こんなに役所に近い同僚の目にも入りやすい風俗で遊ぶような豪快なオヤジも少なくなったでしょうし,市民の視線も厳しい中,堂々と札びらを切って大宴会という訳にもいかないのでしょう。それでもなぜだか韓国人系の酒場を中心に営業が続けられているのは,景気の影響を受けにくい役人たちがこっそりと人目を忍ぶように通っているからに違いないとぼくは決めつけてしまうのでした。
![]() ![]() ![]() ![]() そんな中で恐らく役所の連中が何の躊躇もなく会合費を切っていたであろう時代から続いている渋いお店もまだ何軒かは健在です。東口周辺ではもっとも味のあるというかボロい酒場「山麓」のはす向かいにある「大衆割烹 太平」もそんな一軒のように思われます。割烹という単語には常に緊張感を強いられるもので,これまで縁のないお店でした。割烹という言葉は,江戸後期以降は主に高級な伝統的な和食を指すもののようですが,まあ大衆がおまけに付いていますし,これまでも多くの大衆割烹の良店に出逢えているのでそれほどに身構えなくてもよかったのかもしれません。有名なところでは,中目黒「大衆割烹 藤八」がありますが,その他にも大塚「大衆割烹 天ぷら つづみ」,東中野「大衆割烹 みや」,本八幡「大衆割烹 平ちゃん」,東十条「大衆割烹 鉄平」などいずれも割烹という名は掲げてもいずれも庶民的な居酒屋そのもの,肴も居酒屋料理以外のものではありませんでした。ちょっと気取った北千住「割烹くずし 徳多和良」なんていうのは割烹で出されるような料理を安価に楽しませてくれるという意味でちょっと毛色は違いますが安心して利用できるお店です。こちらのお店は独り客もカウンターにおりますし,女性だけのグループ客もいたり,もっとオヤジ臭い店を予想していたので意外の感があります。里芋と穴子の煮付けやあったかな小鍋料理(中身は失念)はちょっと甘めの利いた味付けでほっこりと優しくて,たまにはいいものです。女性客の頼んだサラダはものすごいボリュームで女将さんに半量でお願いできないかと尋ねると快く応じてくれました。この大衆割烹も思っていたよりずっと気さくで,しかも居酒屋的ないいお店でした。 ![]() ![]() ![]() ![]() 近くには聖徳大学という女子大があるのですが,その脇の暗い路地の先に赤い灯りが灯っています。近寄ってみると「末広」という中華料理店です。なかなか年季のあるいい雰囲気の店なので入ってみることにしました。いくつかのテーブル席の奥には座敷があって,そのさらに奥には炬燵まであります。ここ10数年以上,炬燵に当たったことなどなくて心惹かれたのですが,座敷に上がるのも面倒,座敷の縁に腰掛けられるテーブル席があったので,そこに落ち着きます。店は両親とその息子夫婦らしき気のいい方たちでやっておられ,恐らくはそろそろ店仕舞いというタイミングだったにもかかわらずにこやかに出迎えてくれてとても暖かな雰囲気です。ビールと一緒にお願いした餃子はむっちりと具沢山でかなりのハイレベル。この餃子とあったかい家族にお会いするためにまたいずれお邪魔することになりそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/12/13 08:38:03 AM
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