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カテゴリ:墨田区
両国には国技館での相撲鑑賞をはじめ,ちょくちょく足を運んでおり,もちろん呑みに行くことも少なくはありません。ところが両国ではこれまでここぞという酒場に出逢えていません。どうしても両国だとちゃんこ屋ばかりが目に入るようですーなんて言ってみたもののちゃんこ屋行ったのは一度切りだったりするー。外ればかり引くのも切ないので今回は事前調査の上「吉田類の酒場放浪記」で最近放映されたお店を振り出しにハシゴすることにしたのでした。
テレビで見る以前から「江戸ッ子」の存在は知っていました。総武線のガード下に随分前から今変わらぬ姿のままであり続けた安心感がきっとこれからもずっとそのまんまあり続けてくれるのだろうと特段の根拠もなしに思い続け、たまたま訪れてちょっと寄ってみようと思った時に限って必ず休みだったりしたこともあり、これまでお邪魔できずにいました。そんな考えが甘い希望でしかないことは嫌というほど味わっているのに、この呑気さはどうしたものでしょう。などと反省含みではありますが、ようやく思い立って、訪れるタイミングを得ることに成功しました。思い立ったら即行動に移すようでなければ焦がれ続けた酒場はどんどん過去のものと化してしまうものです。両国駅からガード沿いを急ぎ足で向かいます。急いだところで休みだったらしょうがないわけで、店の雰囲気も並んで待たされるようなタイプではなかったようなので、そんなに慌ててもしょうがないわけですが、初めてのお店を目前にするとどうしても焦燥感に駆られてしまうのは如何ともしがたいようです。昭和57年に開店したというこのお店、思ったほどの歴史があるわけれはなかったようですが、店内は現代ではとりわけ希少となりつつあるオオバコの大衆居酒屋をそのままに留めています。店構えだけが古いばかりでなく人までもが恐らくが開店当初そのままの方たちが現役でおられるようで、配膳のオヤジさんと厨房の女将さんの姿はきっと間違いなく当時のままなのでしょう。カウンター席には人がおらず、もっぱらテーブル席のみが混みあっているというのは本当の意味での都心ならではといったことでしょうか、下町のように独りしみじみ呑む酒というよりはむしろ数名でわいわいがやがやと気兼ねせずに呑むのがよいのかもしれません。肴はクジラなど他所ではあまり見かけなくなったようなものも多く、恐らくは月曜日から金曜日まで欠かさず来店する常連がきっといるに違いないと理由のない確信を抱いたのでした。 続いてこちらも以前から気に掛かっていた「炭火焼 とん公」にお邪魔することができました。けして古ぼけているわけではなく、どこかしら印象の薄いようないつ閉店してしまってもきっと通い詰めた方たち以外は、しばらくするとあれ、ここって以前は何屋さんだったっけなんてことを漏らしてしまいそうな、なんともいえぬ存在の希薄さが漂っています。店に入ると初老のご夫婦が暖かな表情を浮かべて出迎えてくれました。ごく狭いお店で、カウンター8席程度、テーブルは2卓だけだったでしょうか。テーブルは1卓空いていますが、カウンターは1席を空けてすべて塞がっています。しかもその空いた席のお隣はうら若き女性、若干の躊躇を感じつつも若干詰めていただきお隣に入れてもらうことにしました。よこしまな考えはなかったことは信じていただくしかなさそうです。適当に注文を済ませると女性と女将さんとの間でお喋りが始まります。こちらは久しぶりに来たということですが、かなり長くのお付き合いがあるようです。そっと聞き耳を立てているとこの女性は在日韓国人のようで、しばらく韓国に滞在していたためご無沙汰してしまったようです。近頃日韓関係の悪化はどうにもならない事態にまで進行しているように感じられますが、こうした下町の酒場では優しい交流が残っているのを見るのはうれしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/05/26 08:39:20 AM
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