時の経つのは早いもので、何をするでもなくだらしなく日々を浪費するだけの毎日を送っているうちに、いつの間にやら今年も半分が過ぎ去ってしまいました。時の経つのは年齢が増すにつれ早く感じられるようになるという意見には耳を貸すまいと思っていながらも、その実実感としてはあたっていることを認めざるを得ないようです。とまあそんなことを愚痴っていてもしょうがないことで、なにをもったいぶっているかと言うと、時間の流れを早く感じるのは記憶力の衰えであまり多くのことを覚えていられないというのが理由の一端であると思っています。そんなわけで忘れぬうちにー本当は多くの店のことはほとんど覚えていませんー、写真なども手がかりにして書きそこねていた店のことをぼちぼち報告させていただきます。
小岩駅前の細い路地を進むと飲食店に混じって、実に様々な国名を冠した一体全体どのようなサービスが提供されるものやら、実地に見聞してみたくもなりそうな怪しげなお店が居酒屋を凌駕するほどに見られます。このいかがわしい通りは小岩地蔵通りと言うらしく駅の真ん前にこのような通りがあるとは、いかにも小岩らしいと言っては住民の方に失礼でしょうか。そんな通りの一軒でとりわけくたびれきった印象のお店が「焼鳥 ふじ」です。細い路地がさらに二股に分かれる三角地にあって,当然ながら店内はカウンターのみです。水商売が板に着いたお姉さんがやっているお店で,けして愛想もよくないし,旨い酒や肴があるでもなし,でもそんなうらびれた雰囲気をひたすらに味わうのも酒場の愉しみです。