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カテゴリ:江戸川区
この日南砂町に行ったのは、別に商店街を遊ぼうなんて考えがあったわけでもなく、かと言って呑みたい酒場があったわけではありません。飲みたい喫茶店があったのです。ところでここで便宜的に南砂町を表題に掲げていますが、実のところ駅からはかなり遠くて普通の足取りだとゆうに20分は覚悟しなければならないでしょう。ぼくの好んで出向く足立区も相当に不便で今でも陸の孤島と化しているエリアも残っていますが、南砂町を始めとしてまだまだ都内でもあちらこちらにあります。そんなところを訪ね歩いてみたいという素朴な感想はここでは置いておくこととして、これから向かう喫茶店はそんな不便な場所にあるにも関わらず、これまで二度もぼくを振ってくれているのです。まあ喫茶店の場合そういうことはさして珍しいエピソードではありませんが、ここはいかんせん厄介な場所なので、ここだけのために来ることはもはやあるまいとさえ思っていたのですが、そういう店こそ時折記憶がぶり返してきて、歯の隙間に詰まった小骨のように忘れようとしても忘れられぬものなのでしょう。
![]() ![]() ![]() はるばると歩いてどこからも遠い商店街を進むと「マウンテン」があります。これまでの苦労というか、徒労など嘘のようにごく普通に営業しています。正直それなりの感慨があるのですが、努めて平然とした表情をまとわせて扉を開けます。クラシカルでキュートな印象のお店です。特に際立ったところがあるわけでもないのですが好ましい印象のお店でした。外観と店名からもしや外しているのではという予感もあるにはあったのですが、なかなかの年季も感じさせてくれます。一言て言えば店の雰囲気とママさんの醸し出すムードがこれほどまでに似通っているのてす。そんな微笑ましくなるような可愛いお店でした。 ![]() ![]() ![]() ![]() 実はここに来るまでに商店街を歩いてきて見かけていた焼鳥店がありました。どうしてこれまで来た時に気付かずに済ませてこれたのであろうか。薄暗い惣菜屋とかは記憶に鮮明なのになあっ、そうか、うなぎの文字に怯んで記憶から遠ざけていたのかもしれません。「大一」という、もうもうたる煙を惜しげもなく、隣近所の迷惑などお構いなしに―いやお構いしているかも―、吐き出しています。テイクアウトのみの営業かなと思いきやしっかり店の中でも呑ませてもらえるようです。予想通りの味のあるお店にまずは大満足、うなぎの時価なんていう品書は無視してしまわざるを得ないのが不甲斐なくも残念なのですが、もつ焼もあるので安心です。女将さんは一見の客のぼくには終始心を開いてはくれませんでしたが、それもやむなし。もつ焼は幾分火のとおり加減が甘いのですが、程よいタレの甘さもあってなかなか良いのではないでしょうか。夕暮れ前から昼酒を楽しめる良いお店でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/03/19 08:41:23 AM
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