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カテゴリ:江戸川区
篠崎の新町商店街の楽しさは、やたら楽しいというなんの工夫も描写もないお粗末な賛辞のみで前回たっぷりとお書きしてしまったので今度は繰り返さぬつもりです。でも町の味わいを語らぬとなると途端に書くべきことがなくなるのも非才なる身の限界とはいえいささかに惨めなことであります。そうなるととっとと喫茶のことを書くしかないのでありますが、焦ってしまうと思い切りあっけないレポートに終始することは目に見えているので、もう少しだけ引き伸ばしてみようと画策するわけです。そういえば前回この商店街の喫茶はいづれも個性的で、喫茶店というものの分類を企てんとするまあ実際どうでもいいことに腐心してみようと思う者には示唆的であると思われるのです。例えば試みに喫茶重視←中間→食事重視というさほども独創性のない基準に沿ってみると前回報告の「蜂の子」は取りあえずは喫茶重視に置いても間違いではなさそうです。これから報告する2軒は順番に食事重視に置くこともできそうです。内装への拘りに関しては幾分のためらいもありますが、「蜂の子」がそれなりのこだわりを感じ取れるとすると、これから向かう喫茶はいくらかレディメードーいささかも両店を辱めるものではないーな印象があるので受ける印象に寂れ具合の違いこそあれほぼ似たような印象を受けるのです。実用性の濃淡なども比較の対象に援用できそうですが、思いの外長くなったので、これからの両店が印象に差はあれ、どこかしら親しいのは一方はパン屋、もう一方が洋菓子店の併設店として営業していることに起因することは間違いではないはずです。
さて、予定より長くなってしまったので早々に1軒目ー実際には3軒目ーの 「サンドーレ(Sandore) 篠崎店」にお邪魔します。パン屋に併設の喫茶というのは定番でありがこういう余技としての喫茶営業もまた分類の一つとして有効ではありそうですが、それはここでは放置することにします。今時のパン屋に併設された喫茶はほぼコーヒーショップの味気なさを上回るほどの虚しさがありますが、この二毛作という戦略が店の命運を長引かせる一助となっていることは間違いなさそうです。このブログでも何軒かのこうした喫茶を報告させて頂いていますが、とても喫茶営業だけでは往時のままに店の雰囲気を留めてはおられなかったはずです。薄暗い店内でどういう会社で働いているのか想像もつかぬもののサラリーマンや近所のばあさまたちが店に集い、店の雰囲気に合わせ騒がしくなることもなく静かなひとときを送ることができたのは嬉しいこと。地元に根付いているとはまさにこの店のことです。さり気なく喫茶ブームに促されて設置されたランプシェードや壁紙につい贔屓目になり愛さずにおられないのです。 「喫茶&軽食 さがの」は、洋菓子店との併設店です。いや、店に入るとすぐに洋菓子のショーケースがあるからそう思っただけで、むしろレストランが本業であるようにも見えます。その証拠にほぼ満席の客たちはこぞって食事をとっているのであってそれをたった一人のママさんが捌いているのだから忙しいこと甚だしい。当初洋菓子屋さんの併設の喫茶コーナーに見えましたが、いずれの業態もがそれだけで成り立つのではなかろうかという繁盛です。店内の装飾は、洋菓子屋寄りの可愛いカラフルなランプシェードで飾られ、壁面の鏡が狭い店内を広々としたものに変貌させるのに一役買っているようです。 こうして新町商店街の三軒の喫茶店を駆け足でめぐりましたが、いずれも近所に住んでいたらヒマな休日をダラダラ過ごしてみたくなるような、例えば「サンドール」のサンドイッチで遅めの朝食を取り、「さがの」でランチ、「蜂の子」で夕暮れを迎えて、一日の締め括りに「大林」で一杯なんてことができたらなんと優雅な休日か! そんな日がぼくに訪れることはないんだろうなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/07/24 08:17:33 AM
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