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カテゴリ:文京区
どうしたものかたまにビストロで美味しいものを食べながらゆっくりと過ごしたいなんて思うことがあるのです。別にどうしたものかなどともったいぶるようなことではないのですが、ここでフランス料理などという俗物的な食嗜好を公にするには毎度それなりの勇気ある決断を強いられているのです。いやなら黙って胸に仕舞っておけと言われればそれまでだけれど、まあ、日頃の酒場の肴が茶系統で華やぎに欠けることを思うと、たまにはカラフルな写真で彩りあるブログとしてみたくもなるのでした。ところで、標題に書きましたがこの夜はけっこう酷い雨が都内に潤いを与えていたわけですが、別に護国寺のこれからお邪魔するビストロに限ったことではなく、ビストロに行こうとする夜は大概雨が降っていたという記憶があります。きっちり調べてみたわけじゃないから単なる思い込みにすぎぬかもしれないけれど、どうもそんな気がします。雨による湿り気は下手な写真にも煌めきをもたらし美しく見せてくれるからそれはそれで構わぬのですが、外観写真は1枚のみだからさほど劇的な影響をもたらしてはくれぬのであります。ともあれぼくの大好きなビストロにお邪魔することにします。
お邪魔したのは、「ル・マルカッサン(Le Marcassin)」であります。もう何度かここでも報告しているので書き足すようなことはもはや何もないのでありますが、だからといって何も書かずに終えるのもあまりにも手抜きめいているから思いつくまま思い出すままに感想というか良き思い出となるよう書き残しておくことにします。食前酒にキールを頂きました。甘いお酒は余り好まぬぼくですが、たまには彩りの美しいお酒で気分を盛り上げるのも良いものです。先日の板橋のビストロとここを並べましたが、改めて内装を眺めてみるとちっとも赤を基調としてはおらず、木材の茶と漆喰の白をベースにしていましたね。ちょっと山小屋風の風趣を感じます。この雰囲気がぼくにはとても身体と精神に馴染むというか心地よく感じられるのです。この夜はクリスマスメニューを頂いたので隠しようもないのですが、正式なクリスマス前のとある夜だったわけです。なのにどうしたことでしょう、これまで経験したことがない位に空いていて貸し切りとまでは言わぬまでもいつも以上にリラックスして過ごすことができました。もちろん、ここは混雑していてもちゃんと寛げるようにゆったりとしたスペースとなっています。むしろほとんどのビストロでは空き過ぎていると、却って気を使って緊張してしまうものですが、こちらは長年お付き合いさせていただいているからそんな気遣いも無用なのです。オードブルの盛合わせは、いちいち書くのが面倒なのではしょらせていただきますが、店名にもなっている猪の肉のゼリー寄せがおいしかったなあ。メインでワインに移行。肉料理はどれも美味しいけれど、特にココットで供された鹿肉のポテトグラタンが楽しかったです。で、デザートのピスタチオクリームがたっぷり包み込まれたチョコレート風味のブッシュ ド ノエルがこのメニューの最高のお楽しみなのです。これを心行くまで堪能したいがために辛く苦しい大掃除を終えることができるのです。帰りに年男のシェフとお喋りしたのですが、最近腰の調子が良くないそうでダイエットに励んでみたり、1か月近く禁酒していたりと身につまされるようなことを仰ってました。気の毒だなあと他人事のように語ってはおられぬから、ぼくも今年は多少なりとも自重しないといかんなあ。って思ったその時に始められぬとは全く困ったものであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/01/24 08:30:07 AM
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