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カテゴリ:板橋区
洋食って昔は横飯なんて呼ばれたことがあったそうです。ということはつまり縦飯って言い方もあってそちらは和食を意味しています。まあそれだけの話ですが、どうして縦横で和洋食を分けたのかはちっとも分からないのです。死語となった理由は何となく推測はできます。というのが中華料理や米国発祥のファーストフードなどをはじめとした和洋食には縦横だけでは収まりきらなくなったといった程度の事情があったのではないかと推測されます。それはまあともかくとしてお馴染みとなった吉田健一氏の文章に以下のような一節があります。
日本酒を飲んでいるとついほかのことを忘れてしまって、飲む一方になるからいけないのだと胃病の専門家に注意されたことがあったが、そういう特質があるものだから、どうも洋食の時に日本酒を註文する気になれない。 洋食は食べものが酒を呼ぴ、酒が食べものに答える仕組みになっていて、その酔い心地には格別なものがある。またその方が自然であるのはいうまでもないことで、日本酒も、これに合うように出来ている日本の食べものを肴に飲むのに越したことはない。 「洋食は食べものが酒を呼ぴ、酒が食べものに答える仕組みになっていて」っての一読するとなかなか気が利いているように思われますが、何となく分かったような分からないような文章であります。というのが不粋でグルメなさざるぼくとしては如何な酒と肴の組合せに寄らず何だってそれ相応に楽しめるのだかし、実際、多くの酒を呑ませる店ではよほど酒に拘る店でもない限り、どんな料理にどんな酒を合わせて頼もうとも特に拒絶されたり怪訝な表情を浮かべられるということはないからです。 とまあ引用による誤魔化し癖に拍車がかかってしまい恐縮ですが、たまには面白い文章も混じっていると思うのでご容赦を。さて、都営三田線の板橋本町駅を出てすぐ、中山道と環七の交差地点に「ランチハウス 美味しん坊 板橋本町店」はあります。場所は良さそうに思えますが、駐車場完備のお店ではないのでむしろ地下鉄利用者は店の前を通過しない限りは見落としてしまいそう。むしろ自動車利用者の方がご存じだったりするんじゃないでしょうか。夕方前の微妙な時間帯でありましたが、中休みなしのぶっ通し営業が嬉しい洋食店になります。ネットによると『洋包丁』との類似点が認められるみたいですが、ぼくは案外こうしたどちらかというと食欲旺盛な若者をターゲットにした洋食店の知識は浅いのでふ~ん、そうなんだって感じです。まあ都内に数店舗ある「洋包丁」の店舗そのものは知っているし、店の前を通過することもたまにはあってその様子は何となく分かっていて、でもここ「美味しん坊」はちょっと印象が異なるのです。というのは閑散時間帯だったせいもあるのでしょうが、他にお客さんもなくとても空いている。このお店の雰囲気は学生向きというよりは都内だと神田とか新橋とかのお気楽サラリーマン系のお店に近い印象です。少しも気取ったところがないのです。ぼく的には、正統派/学生向けガッツリ系/お気楽サラリーマン向けの洋食店の分類できています。さて選び放題なのについ店の置く側に席を決めてしまうのですが、以前ならもう少し眺めのいい場所を選んだものですが、そこまでの気概が失せてしまいました。とにかく寛いでのんびり呑んで過ごせるならそれ以上は求めないって気持ちになびきつつあります。瓶ビールを注文。肴に揚げワンタン、コロッケ、お新香を注文一応和洋中でバランスを取ったつもりですが、ここは洋食店だからしっかり洋食メニューを注文すべきだったか。年配の男性2名でやっていて、非常に物静かにテキパキと仕事をなさっており、こうしてだらしなく呑んでるのが申し訳なく思えてきます。と一応は書いてみる。遅めの昼食を取りに来た若者がとても嬉しそうに食事していたのが印象的です。こうしたどうってこともないけれど、ちゃんとした店は失われて初めて激しい損失を感じることになるのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/06/30 05:18:16 PM
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