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カテゴリ:家呑み
以前からちょっと気になっていた作家に村井弦斎がいます。この人は『小説家』なる自己言及的なタイトルの小説をはじめ、『小猫』 や『日の出島』などのSF小説の先駆的な作品を執筆していることで知られていたようなのです。また、代表的な作品に『百道楽シリーズ』というのがあるそうで、『酒道楽』『釣道楽』『女道楽』『食道樂』が執筆され、玉突道楽、芝居道楽、囲碁道楽なども構想していたようで非常に興味深いのです。特に『食道楽』は当時のベストセラーとなっていていつか読みたいと思っていた一冊でもあります。今ではありがたいことに青空文庫に所収されていることが今回分かったのでそのうちじっくりと読みたいと思っています。それにしても今、ざっと眺めてみたのですが、見出しを見るだけでも実に愉快なのです。下等料理/中等料理/上等料理だったり、吃逆の薬だったり、下等肉なんてのもありますね。とにかく見出しだけ眺める限りではその章立てにちっとも脈絡などないように思えてそれがむしろぼくの興味をそそるのでした。巻末にはおまけが付いていてこれがまたなかなかに壮観なのです。米料理百種としてご丁寧に日本料理の部と西洋料理の部に分かれて紹介されています(ちなみにパン料理五十種もあり)。そのひとつに栗飯があります。
-- 第二十一 栗飯 秋になると栗飯が結構です。それは上等の栗の渋皮を剥いて大きいものは四つ位小さいものは二つ位に切ってアクを抜くため水へ漬けて幾度もその水を取換えて半日ほど置きます。御飯を炊く時にお米の方へ塩を好いほどに加えて今の栗を米一升に五合位の割で混ぜます。 -- といった具合。ところでこのままだと本の紹介に終始してしまうので軌道修正しますが、ここにあるように栗ご飯って一般には渋皮を剥いて調理します。見た目もいいし、皮のごわごわした食感も気になるからでしょうね。それもあってうちでも食べるタイミングを逸していた栗の渋皮煮が結構な量、賞味期限をとっくに切らして冷蔵庫に眠っていたのです。こりゃいかんと慌ててあれこれ調理することにしたのです。 どうかなって思ったけど一応は定番の栗の渋皮煮ごはんを炊いてみました。 【材料】 米 1合/栗の渋皮煮 6個/醤油・酒・みりん 小さじ1.5/水 適宜 【作り方】 1. 全ての材料を炊飯器(内窯)に入れて炊く。 これが思っていたような皮の違和感などかくて皮を剥いたものとほとんど遜色なく美味しく頂けたのでした。こういうのは試してみないと分かんないものですね。 ということで調子に乗って鶏胸肉のソテー 栗の渋皮煮と舞茸のクリームソースなんてものを作ってみました。 【材料】 鶏胸肉(上下2等分/塩、胡椒、小麦粉をまぶす) 1枚/塩・胡椒・小麦粉 適宜/栗の渋皮煮(粗く刻む) 6個/舞茸 1パック/小松菜(3cm幅) 適宜/オリーブ油 小さじ1+1/生クリーム 100ml/はちみつ・醤油 小さじ1 【作り方】 1. フライパンにオリーブ油を熱して鶏胸肉を焼き、取り出す。オリーブ油を熱して舞茸を焼く。小松菜を加える。生クリーム、はちみつ、醤油を加える。鶏肉を戻す。 もうこれは最高に美味しいなあ。栗ときのこや鶏肉の相性の良さは想像できたけどそれを遥かに凌駕しました。鶏じゃなくジビエだともっとゴージャスかもしれませんが、これで充分。 クリーム煮に比べると淡泊かなあと思っていた鶏もも肉と栗の渋皮煮の赤ワイン蒸し煮ですが、作ってみることにしました。 【材料】 鶏もも肉(3cm角/赤ワイン、ローリエに漬ける/塩、胡椒、小麦粉をまぶす) 1枚/赤ワイン 200ml/ローリエ 1枚/塩・胡椒 適宜/小麦粉 大さじ3/栗の渋皮煮 8個/玉ねぎ(横1cm幅) 1個/にんにく 1片/セロリ(斜め薄切り) 1/3本/サラダ油 大さじ2/バター 10g/パセリ 適宜/【調味料】赤ワイン 100ml/顆粒ブイヨン 小さじ1/砂糖 小さじ2/ウスターソース 小さじ1 【作り方】 1. フライパンにサラダ油を熱して玉ねぎ、にんにく、セロリを炒めて取り出す。バターを熱して鶏もも肉を焼く。漬け汁、玉ねぎ、にんにく、セロリ、栗の渋皮煮、【調味料】を加えて蓋をし、15分蒸し煮にする。皿に盛ってパセリを散らす。 【備考】 ウーマンエキサイト E・レシピ 「鶏もも肉と栗の赤ワイン蒸し煮」 https://erecipe.woman.excite.co.jp/detail/e9531594e1014b9259449b677140c753.html ところがこれがまた実に旨いのです。栗を料理の材料の一つにするのはもったいない気がしていましたが、もしかするとそのまま食べるより料理で食べた方が美味しいんじゃないかって思いました。 これはもう間違いないと思っていたレシピがあって、それではごぼうが主役で栗は入っていないのですが、きっと合うに違いないと入れてみることにしました。チキンソテー ごぼうと栗の渋皮煮のソースです。 【材料】 鶏肉(もも/2等分/塩、胡椒、小麦粉をますぶ) 2枚/塩・胡椒・小麦粉 適宜/にんにく 1片/オリーブ油 大さじ2/ごぼう(縦2等分/斜め薄切り) 1本/栗の渋皮煮 6個/小松菜(ざく切り) 1/2袋/バター・塩 適宜/【ソース】はちみつ・醤油・バター 大さじ1/赤ワイン・湯 1/2カップ/みりん 大さじ2 【作り方】 1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。鶏肉(もも)を焼く。ごぼうを炒める。はちみつを加える。赤ワイン、湯、みりんを加えて煮る。栗の渋皮煮を加える。小松菜、バター、醤油を加える。 【備考】 キューピー3分クッキング 「チキンソテー ごぼうソース」 https://www.ntv.co.jp/3min/recipe/20060320/ うん。きっとオリジナルのレシピよりも美味しいに違いない、ってくらいに絶品でありました。せりがなくって仕方ないので小松菜を入れましたが、これはせりのほうが美味しかったんだろうなあ。まあいずれまた作るはずだからその時のお楽しみにします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/07/06 08:30:09 AM
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