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カテゴリ:足立区
郊外だったり地方都市なんかの商店街の凋落には常々痛ましい気分を味合わされています。商店街の立体展開された形態が百貨店だとすると、合理化された百貨店が各地から消えていく現代にあっては、合理化以前の混沌含みの商店街なる集合体は相互の物件同士の繋がりの曖昧さゆえにより危うい状況にあるのだと考えることもできそうです。そもそも経産省中小企業庁によると、商店街という組織には明確な定義はないということらしいから、よほど組織に熱心な旗振り役がいるとか地元自治体などが支援をするなどが取られぬ限りは、ジリ貧にならざるを得ないことは織り込み積みな極めて軟弱地盤の組織といえなくはないだろうか。などと思い付きを書き進めているとすぐに反対意見が念頭に浮かんでくるものだからここまでの文章は振り返らぬことが肝要になるのです。さて、今回は偶然辿り着いた駅遠商店街で遭遇した酒場のことを書くことにするのです。場所は足立区。かつての足立区は鉄道路線の通らぬ広大なエリア故に鉄道沿線からは孤立した商店街がちらほら存在したようであるけれど、ここは最寄り駅の梅島駅から徒歩10分ばかりの距離だから駅前商店街とは呼べぬけれど、孤立商店街とまではいえないはず。にしても梅島駅の開業は1924年ということだからそこそこの歴史を有しているのにどうして孤立はしていないけれど駅遠の場所に成立したのか不可解なのでありました。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 辿り着いた商店街は、ゆめろーど千代田商店街と幾分アナクロではあるけれど、歴史あるとはとてもいえぬ緩いネーミングが付いていました。しかしつい「夢一夜」なる居酒屋の戸を開けるとお達者クラブの面々が店狭しとカラオケに興じていて、思わずそっと戸を閉めてしまったのですが、とにかく疎らながらも行き交う人々はこぞってご高齢者なのでした。カナ=>かな変換されたネーミングを好む世代の人たちそのものなんじゃないか。ちなみに以下が商店街のHPです。インターネット黎明期のような渋いセンスのサイトになっています。 ゆめろーど千代田商店街 https://www.yume-road.com/ 実はこの通り以前も歩いた覚えがありますが、恐らく日中だったので通り過ぎただけで済ましてしまったんだと思います。でも八百屋さんに併設された「酒処 はまちゃん」を見逃していなかったら開店を待っていたかもしれません。ちなみに先のHPでこの酒場を見ると八百屋さんの営業している光景がアップされているので、昼は青果店、夜がお隣で酒場を営業なさっているのかもしれません。写真の店の女性、そういえば「はまちゃん」の女性のようにも思えます。ちなみに点枚になっているはまちゃんは恐らく終始腰を掛けて店の様子を見守っておられる方なんじゃないか。店の調理などなどは全て女性(奥さん?)にまかせっきりでしたが。ここまでで長くなってしまいましたが、狭い店内はこちらもお客さんでぎっしい埋まっています。しかも窮屈ながら卓上には旨そうな肴がずらり並んで目移りしてしまいます。それだけ品揃えが充実しているのです。ボリュームもたっぷりなので、予め持ち帰りを決め込んでいる方もおられるし、なんとここでは鰻丼まで用意があるので、腰を下ろして最初の注文で鰻丼を予約して安心したように呑み始める方もいたのです。なんとなんと実によい酒場ではないか。こりゃ確かにここに通うべき理由がよく分かります。今でなくてもいいから、隠居したらここの傍に住めたらいいのになあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/01/29 08:30:09 AM
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