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カテゴリ:家呑み
北大路魯山人に『握り寿司の名人』という文章があります。この人の文章というのは大概の場合、論理的じゃないことが多過ぎてその真意を汲み取るのが困難だったりします。その不明晰さと尊大な語り口が世の中では当たり前と知っていても、それでもどこかしら滑稽味を覚えるのは、それだけぼくがこの美食界のドンに嫌悪を抱いているからかもしれません。
島田髷(しまだまげ)の時代には売物にならなかった御面相(ごめんそう)が、口紅、爪紅、ハイヒールで堂々と寿司通仲間に侵入し、羽振を利かす時代になってしまった。昔ならほとんど見られなかった風景である。この調子では今にトマトの寿司、コンビーフの寿司、サンドイッチの寿司、トンカツの寿司など、創意創作がむやみやたらと現われ、江戸前を誇った勇み肌の寿司屋など跡を絶たねばならなくなるだろう。サンドイッチの寿司だって本当に現われないとはかぎるまい。飯とパンと同時に賞味できるからだ。 例えば上記の文章であるけれど、一体何を訴えたいのかちっとも分からないのである。いやまあ、色々と苦言を呈したいことがあって、けれど言いたいことを充分に説明のないままに一挙に吐き出してしまったといった具合なんだろうと思いはします。でも性別や容姿による差別的な発言だったり、現実に出現しておりしかもそれなりの市民権を得た創意創作を「むやみやたら」と揶揄したりするのは、ぼくを不愉快な気分に陥らせるのである。トマトやコンビーフ、トンカツは大手回転寿司店で実際に販売されています(した)から。ちなみにサンドイッチ寿司は寡聞にして存じ上げないのだが、マンガには登場しています。 http://luckyclover7.blog27.fc2.com/blog-entry-426.html 寿司飯の代わりにパンに寿司ネタをのっけただけなので、これに限っては魯山人の想像力が上回っていたと言えなくもないのかも。味っ子のものだって、世間に出回っているサンドイッチ風の形状のおにぎりという凡庸さよりは余程上をいってると思うけれど、果たして魯山人はどういった仕上がりを夢想していたのだろるか。 キュウリのサンドイッチ 【材料】 食パン 2枚/きゅうり(粗みじん切り/塩揉み/絞る) 1本/塩・マヨネーズ(マスタードを混ぜる)・マスタード・マーガリン 適宜 【作り方】 1. 食パンにマーガリン、マヨネーズを塗ってきゅうりをのせ、食パンを被せる。 きゅうりサンド 【材料】 食パン(サンドイッチ用) 4枚/きゅうり(縦2等分/種を取る/斜め薄切り/顆粒だし、塩をまぶす/絞る/マヨネーズを和える) 2本/顆粒だし・塩 適宜/マヨネーズ 大さじ2/バター・練り辛子適宜 【作り方】 1. 食パンにバター、練り辛子を塗ってきゅうりをのせ、食パンを被せる。 きゅうりサンド(有元葉子) 【材料】 食パン(サンドイッチ用/バターを塗る) 4枚/きゅうり(縦2等分/斜め薄切り/塩をまぶす/絞る) 4本/バター・塩 適宜 【作り方】 1. 食パンにきゅうりを広げて食パンを被せる。ラップで包んで室温で20分置く。 ギュウギュウきゅうりサンド(かっちゃん) 【材料】 食パン(6枚切/マーガリンを塗る) 2枚/きゅうり(塩揉み/絞る/【調味料と和える】) 1.5本/塩 小さじ1/4/マーガリン 適宜/【調味料(混ぜる)】マヨネーズ 大さじ1/味噌 小さじ2/3/砂糖 小さじ1/3/練り辛子 適宜 【作り方】 1. 食パンにきゅうりをのせて食パンを被せて冷蔵庫で5分寝かす。耳を切り落とす。 今回はきゅうりサンドのオンパレードです。なので、コメントは一括して行うのです。きゅうりのサンドイッチはシンプルが身上だから、基本的にはパン、きゅうり、(マヨネーズなどの)ディップの3要素をいかに組み合わせるかにかかっています。パンの種類(食パンもしくはそれ以外)や処理(厚さ、焼く/焼かないなど)、きゅうりの処理(調理の有無、切り方など)、ディップの種別や組合せといったバランス感覚が必要となります。有元葉子氏のレシピですら、塩揉みしているからミニマムなものとは呼べぬかもしれず。まだまだぼくのベストなきゅうりサンドイッチへの探求は終わらないのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/09/28 08:30:13 AM
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