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カテゴリ:家呑み
日本でコンビーフといえばノザキ。ノザキのホームページを見るとコンビーフを使ったレシピが公開されています。現時点における登録数は53種でありました。これを多いと見るかそうでもないと見るかは人それぞれですが、ざっくり眺める範囲でぼくには少ないように思えました。このレシピの趣旨としてはコンビーフを主役もしくは準主役的な立ち位置に据えることが求められていることを差し引いてももう少しヴァラエティがあっても良さそうに思えます。と書きはしたけれど、こういう加工済みの食品っていうのは、それ単体ですでに完成されたものであって、例えばツナなんかもそれだけをチマチマ摘まんで充分なつまみになるのと同じようなことなんだろうと思うのです。つまり肉版のツナみたいなもんだからどうしたって似たり寄ったりのアイデアしか出しようがないのかもしれません。作家やコメディアンにアイデアを求めても(いつものように青空文庫頼りです)やっぱり定番のメニューがあるばかり。
古川緑波著『古川ロッパ昭和日記』 昭和十二年七月二十六日(月曜) (……)夕刻、徳山とホテルのグリルへ。久しぶりこゝのオードヴル、キャベツのスープに、コンビーフキャベジとプディング。 昭和十五年二月二日(金曜) 箱根富士屋ホテル。(……)八時すぎ起きる。入浴、食堂へ、スクラムブルエグとコンビーフハッシュ。 レストランだとキャベツ、卵、じゃがいもといった当たり前に相性のいい組合せになるんだろうな。 小川未明著『からすとうさぎ』 「町に住む人たちは、ぜいたくですね。」 「ええ、ぜいたくですとも。そうそう、いつかあなたを追いかけた犬までが、コンビーフのかかったご飯を食べていましたよ。」と、おしゃべりのからすは、いいました。 これまた大定番。犬でなくてもコンビーフは贅沢品なのであります。 北大路魯山人著『握り寿司の名人』 コンビーフの寿司、サンドイッチの寿司、トンカツの寿司など、創意創作がむやみやたらと現われ、江戸前えどまえを誇った勇いさみ肌はだの寿司屋など跡を絶たねばならなくなるだろう。 先般も引用してコメントもしましたが、すっかりコンビーフの寿司は人口に膾炙したようです。ノザキのレシピにも手巻きやのり巻きが紹介されています。ということで料理ってもんでもないですけど、最高のコンビーフの食べ方を探ってみました。 コンビーフの肴 【材料】 コンビーフ 1/2缶/マヨネーズ・わさび 適宜 【作り方】 1. 皿にコンビーフを盛ってマヨネーズ、わさびを添える。 【備考】 レシピサイト ぷちぐる https://oisiso.com/ 近頃お気に入りのサイトで紹介されていたものです。ここのレシピって本格的ってのとはちょっと違うけれど簡単でありながら妙な拘りも感じられて面白く眺めています。ちなみにこの超シンプルな食べ方はどこぞやの安酒場の定番メニューだったみたいです。もちろん最も美味しい食べ方の一つと思うけれど、寄る年波を思うとピクルスでもいいのでさっぱりとする付け合わせが欲しいところです。 コンビーフ炒め(安倍夜郎著『深夜食堂』)[日本] 【材料】 コンビーフ缶(1cm厚) 1缶/卵(目玉焼き) 1個 【作り方】 1. フライパンでコンビーフを焼く。卵を目玉焼きにしてのせる。 これまたド定番。ちょっと加熱すると多少脂が抜けて美味しいんですよね。その脂で卵を焼くというのがいいですね。でもこれ半分食べたら残りをめしにのっけたくなります。 コンビーフ丼 【材料】 ごはん 1膳分/コンビーフ 大さじ2/わさび・醤油 適宜 【作り方】 1. 茶椀にごはんを盛ってコンビーフ、わさびをのせ、醤油を散らす。 小川未明の犬も食べていましたね。どこぞやの安酒場ではごはんはなかったかもしれないけれど、これも1品目をわざと残りを出して食べたくなります。 コンビーフ茶漬け 【材料】 ごはん 1膳分/コンビーフ 大さじ2/お茶漬けの素(永谷園) 1袋/湯 適宜 【作り方】 1. 茶椀にごはんを盛ってお茶漬けの素をかけ、湯を注いでコンビーフをのせる。 これは間違いないだろうと思っていましたし、以前何度か食べていますが、今食べるとちょっとしょっぱい気がします。お茶漬けの素を半分にしてちょっと醤油で風味を付けるのがいいかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/10/19 08:30:10 AM
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