テーマ:歳時記(397)
カテゴリ:里山・歳時記
四月から五月にかけては江戸時代から続く「魚島どき」と呼ぶ風習があった。 この時期に鯛は産卵のために瀬戸内海に群をなす。 このとびきりの桜鯛を、船場では親戚や親しい家同士で贈りあった。 「一番おいしく値段も安くなる旬のものを食べるのが大阪の食。 合理的でしかもぜいたくです。 普段は始末してますが、お正月や年中行事や法事などのハレの日には必ず出入の仕出し屋さん(プロ)に頼んで最高の味を堪能しました。 奉公人たちもお相伴にあずかって一流の味を覚えました。 そうして皆の舌がこえたことが大阪が誇る食文化につながり食い倒れのまちになったのでしょう。」 大阪市立 住まい情報センター「あんじゅ」より。 ■魚島・魚島どき■ 春に、魚が産卵のため陸地近くへ押し寄せ、小島のように見える現象。 また瀬戸内海で、八十八夜の前後、鯛が盛んにとれる時期。 魚島時 (うおじまどき) 。 《季 春》「魚島の大鯛得たり旅路きて/秋桜子」 魚島どきという言葉をはじめて聞いたのは、■朝ドラ・ごちそうさん■。 船場という地域限定だったためか、私はドラマを見るまでこの風習を知らなかった。 旬を大事にしていたのだなと思う。 ■細雪■に、次女・幸子だったか三女・雪子だったかの鯛に対する思いがあった。 細雪の四姉妹も船場の生まれだ。 ★貞之助が笑ったのは、鯛とはあまり月並過ぎるからであったが、しかし彼女の説に依よると、形から云っても、味から云っても、鯛こそは最も日本的なる魚であり、鯛を好かない日本人は日本人らしくないのであった。 彼女のそう云う心の中には、自分の生れた上方こそは、日本で鯛の最も美味な地方、―――従って、日本の中でも最も日本的な地方であると云う誇りが潜んでいるのであったが・・・(略) 「まだい」は通年出回り、産卵後の痩せた時期を除いては、いつでも美味しく食せます。 あえて旬をあげるならば、産卵後で食欲が増え体が回復し、身に脂がのる晩秋から春の産卵期前までといえます。 産卵期の「まだい」は桜の時期と重なり、また色合いも美しい桜色なことから「桜鯛」と呼ばれ珍重されてきました。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[里山・歳時記] カテゴリの最新記事
|
|