テーマ:懐かしい昔の話(540)
カテゴリ:父の麦わら帽子
私の子供時代は、今から60年以上前。 その頃、時計はねじ巻き式で、毎日ねじを巻いていた。 とはいえ、うちには時計が無かったので、遊びにいった家の子どもたちがねじを巻くのを見ていたのだった。 まだ子どもの背丈では、時計まで届かない。 そういう時に時計の下に持って行って使うのが、絵の「足つぎ」だ。 足つぎは、買ったものではなく、必要に迫られて作ったようなシンプルなものだった。 いつもは、部屋の隅っこにあって、誰も気が付かないようにひっそりとあり「足つぎ」という役目の他に、布切れの保管場所だった。 台には、丸や四角の穴があって、そこにぼろ布が入れてあった。 (☝現在97歳の夫の母によって丁寧に繕われたパジャマ) 着物や服は、繰り返し繰り返し形を変え、使われる。 いよいよダメになった布の切れ端が、この足つぎの穴に入れ、保管されるのだ。 もんぺに穴があいた時、台の穴に手を突っ込んでつぎあて用の端切れを探す。 下駄の鼻緒が切れた時にすげかえ用の布も、そこにあるものを使っていた。 家の藁で編んだ草履の鼻緒にも飾りとして、目印として藁と一緒に編み込まれていた。 この春、コロナが流行ってマスクが不足、あちこちで、自作のマスクをしている人を見た。 昔だったら、足つぎから余り布を出してくるのだが、昨今の人々は、あのマスク用の布をどこに保管していたのだろうと思った。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.09.26 14:37:35
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