日本レンゲの会100 在京事務局会議
後藤副会長、西村常務理事と私の3人で在京事務局会議を開きました。当会は、在京役員が随時協議をしながら運営しています。 全ての事項を合議で決め、それを役員等に開示して意見を求め、その上で最終決定をして運営しています。たとえ同じ結論が予想されても一同に介し、経過等の報告を踏まえ方針を決めてまいりました。 時折寄せられるメールでのご意見提案も必ず報告しています。最近は海外からのアクセスもあり、運動の現状と各地の情報公開の必要性を強く感じております。 これからも開かれた形での運営に努めますので宜しくお願い申し上げます。近い将来に、害虫の被害を受けにくい地域で全国でレンゲを栽培している方々との交流会を開くことも考えています。参考在京事務局会議報告 2006年9月9日15時 東京・事務局 出席者 後藤 西村 佐藤 1.平成19年度以降の米政策改革推進対策見直しに伴い、休耕田でのレンゲ栽 培のあり方について、各地の現状と施策に適合する方法を模索する。2.今後も、アルファルファタコゾウムシの被害状況と対策について把握した 内容を公開し、新たな害虫対策について各位の協力をお願いする。3.会費納入会員、会の運営に協力を頂いている役員・会員に四季咲きれんげ 美濃紫雲を送る。4.岩手県遠野市遠野ふるさと村は、当会が関わりをもつレンゲの北限地なの で、寒冷地でのレンゲ栽培に敬意を表し、今年も種と根粒菌を寄贈する。5.学校等多くの方が集う場所でレンゲ栽培を試みようとしているところに は、今後も可能な範囲で種と根粒菌を寄贈する。6.大和市下和田とアルプスあづみの公園管理センターには、必要分の根粒菌 を寄贈する。7.来年のレンゲまつりは、神奈川県大和市で再度開催する方向で検討する。 そのため事務局が随時現地を訪れ生育状況をホームページで公開する。8.レンゲ栽培の歴史的背景を考え、日本の古典文化・芸術・芸能との共催を 試み、新たな交流の場を作るようにする。今年同様にレンゲ田での野外寄 席は来年も開催する。9.各地のレンゲまつりに積極的に参加するようにし、その積み上げから全国 レンゲ交流会の開催を企画する。10.会の幟は作りました。来年四月までに腕章を作ります。11.多賀城の多様な実験的種蒔き・生育・レンゲ料理・レンゲまつりは、今 後も会主催で行う。12.ホームページの制作は、事務局長の責任と費用負担で行う。13.日本におけるレンゲの栽培管理 (『レンゲ全書』安江多輔編著 社団法人農山漁村文化協会刊より・一部 養蜂関係者と佐藤芳博の栽培経験から) レンゲの学名は、Astragalus sinicus L.であり、Astragalus は、 「距骨」(足首の骨を形成する骨片)、sinicus は「支那の、支那産の」を意味 し、中国において最初に採集され、また、その原産地を中国とみなして命 名されたものである。 なお、Astragalus属(レンゲ属、モメンズル属)は、マメ科のなかでも大 きな属であり、中央アジアに多数の種があり、その数は1,200~1,600種と いわれている。 中国における名称は、現在では、「紫雲英」および「紅花」が一般的に用い られている。 日本における名称は、現在最も多く用いられているのはレンゲ(レンゲ ソウ)で、次がゲンゲであるが、ゲンゲは多くの地方において老人に多く 用いられ、若い人たちはレンゲを用いることが多い。 英名では、Chinese Milk Vetchであるが、Renge、Genge、a kind of Vetch、Pink clover などの記載もみられる。(1)栽培の適地 マメ科植物は深根性であり、その根に共生する根粒菌の繁殖のためには乾燥 が必要である。過湿な土壌は根粒菌の繁殖を妨げるので、レンゲの生育が悪 く、凍害を受けやすい。(2)適種の選択 栽培上重要な品種の特性としては、早晩性、耐寒性、耐雪性、耐湿性および 耐病性などがある。(3)播種の準備 播種時の乾燥程度は田面を歩くと足指の間にわずかに土が出るくらいが適当 である。(4)種子の予措 硬実が多い場合には、砂つき法によって磨傷処理を行うことが望ましい。 (多賀城での実験では、ミキサーに種と砂を入れて傷をつけてから根粒菌を まぶし、空に投げ上げて播種した場所の発芽率が良いです。山砂利の通路に 傷をつけないで蒔いたのが、見た目には一番発芽率が良かった。佐藤芳博)(5)播種期 播種適期はその地方の気候と水稲の作期によって異なるが、霜の降りる1~ 1.5ヵ月前である。 (地球温暖化でかなり播種時期が遅くても開花するようになりました。宮城 県ですと、9月中に播種すれば大丈夫です。場所により日当たりがよければ 10月中旬まで可能な場所があります。関東地区は9月中が良いですが、暖か いところは、10月下旬まで可能です。佐藤芳博)(6)播種量(末次・岩切,1950) 東北・北陸 3.0~4.0Kg/10a 関東・東山・東海・近畿・中国 2.5~3.5/10a 四国・九州の暖地 2.0~2.5/10a(7)播種方法 覆土の暑さは1~2cmが適当であり、5cm以上になると出芽が悪くなる。薄播 する場合には、等量の砂を混ぜて播種すると均一に播種できる。 (覆土をしなくても芽は出ます。佐藤芳博)(8)根粒菌の接種 レンゲが栽培されたことのある土壌中には根粒菌がいるので、接種しなくて もレンゲはよく生育するが、レンゲを初めて栽培する所や根粒菌の着生が少 ない所では、根粒菌接種の効果は大きい。根粒菌は好気性細菌なので、その 活動を旺盛にし窒素固定能力を高めるためには、排水に注意しなければなら ない。(9)湿害対策 レンゲは生育初期の約1ヵ月間、とりわけ発芽当初の10日間は浸水に対する 抵抗力が特に弱いので、冠水しないよう排水対策が必要である。湿害対策の ポイントは秋季に雨水が田面に停滞しないようにすると共に、春先の雪解け 水が停滞して過湿にならないように排水溝を設置することである。(10)採蜜(養蜂関係者の話) アルファルファタコゾウムシの食害により、レンゲ蜂蜜の収量が減少してい ると言われていますが、沖縄で蜜蜂を増やし花が食害に遭う前に早めに採蜜 すれば、収量は減りません。その様にしている養蜂家もいます。14.四季咲れんげ美濃紫雲 (株式会社種萬社リーフレットより) 周年利用の蜜源及び観賞用の品種、同時に緑肥及び飼育用としても利用でき る多目的品種――。・本種の特性 (1)春~夏蒔(4月~7月)、夏~秋蒔(8月~10月)に両用出来るので、播種期を ずらすことによりほぼ1年中開花させることが出来る。(低温に遭遇しなく ても開花する。) (2)極早生で4月~7月に播種した場合には、1ヶ月~2ヶ月で草丈10cm前後で 開花を始める。 (3)8月~9月に播種した場合には、その年の9月~11月に開花を始め翌春5月頃 迄開花し続ける。 (4)10月以降に播種した場合には、普通のれんげ同様翌春開花するが開花は早 い。 (5)9月下旬~10月上旬(れんげの播種適期)に播種すると草丈30~40cm、茎数 15~20本となる。日本レンゲの会が栽培から学んだこと。(佐藤芳博) (1)深い植木鉢を用意する(根がかなり伸びるので、浅いと成長を阻害する)。 (2)肥えた土を入れる(庭の土で結構ですが油粕を入れるとさらに良いです)。 (3)種が硬く発芽しにくいので、砂などで種子の表面に傷をつける。 (4)種子に根粒菌をまぶしてすぐに蒔く(根粒菌のかわりにレンゲが開花し て、種ができた場所の土を利用しても良い)。 (5)水捌けが悪いと腐ってしまうことがあるので鉢植えの時は、特に注意が必 要です。 (6)直播きのときは、水捌けの良い場所を選ぶ。 (7)植木鉢を吊るすと鉢の周りにレンゲの花が広がり綺麗に生育する。 以上