酔生夢死

[登場人物]
有馬　竜一・・・元クラス委員。現東大生
和仁崎　涼介・・・元不良。現たぶんプータロー
芹沢　将義・・・医者の息子で医大生
百治　理紗・・・芹沢の恋人で看護学生
坊条　純一・・・パソコンの達人

野比　太一・・・通称"のび太"　いじめられっ子

乱堂　悦実・・・有馬たちのクラス担任。在籍中に自殺している。


[物語]
日本から1500キロ離れた東硫黄島。島の外輪火山が噴火し、住民は強制退去させられて無人状態となる。

有馬たちクラスメイトは4年ぶりに現地で同窓会を開くことに

しかし、学生時代酷いいじめの標的となり不登校となった"のび太"こと野比太一がピエロのコスチュームで乱入し、クラスメイト達を無差別に殺害し始める。

殺人ピエロの正体は？

有馬たちは無事生き延びることができるのか？


[観想的なもの]
「このミステリーがすごい」大賞"特別奨励賞"受賞

"12歳が描いた連続殺人ミステリー"

この2つがキーワードとなる。プロの作家の作品としてみると、文章も稚拙だし、展開も乱暴この上ない。

しかし、12歳が描いたにしては、それぞれのキャラクターの背景やスキルが大人が描くものと遜色なかったりするし、いくつかの場面が織り重なって、やがて一つに収斂されていく技法なんかは、正直すごい。・・・あくまで12歳が描いたとするとだが・・・。

最初は、多すぎるキャラクターを排除するべく、犯人が切っては捨て、切っては捨てやっていくので、バトルロワイヤル風の同人誌レベルかと思いきや、後半は立て直し、どんでん返しもあり、正直ありかな・・・と思えるレベル

これを12歳が描いたってことは、一方で驚嘆であり、他方では妥当だとも思える。

今作は、12歳が描いたっていうインパクト&話題性があるから売れるのかもしれないけど、作品自体の質で勝負するためには、少なくともあと数年は勉強が必要でしょう。


人物描写　　　 ★☆☆☆☆
物語　　　 　　★★☆☆☆
技術 　　　　　★★☆☆☆
インパクト 　　★★★★★★
総合　　　　　 ★★☆☆☆　　ミステリとしては★2つ、付加価値も入れると★3つ