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酔生夢死

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2010年07月04日
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カテゴリ:書籍
サブタイトルに『「国の借金は税金で返せ」のウソ』とあるようにかなり刺激的な本

意図的なインフレを目指しているからちょっと前に流行ったリフレ派というやつだろう

主張としては

日本の国債は日本国内で消費されているので破たんしない

上の条件から政府の借金=国内の民間の資産

国債の増加額以上に民間の資産が増加している → むしろ国債の受け入れ余地が拡大している

さらには、日銀は通貨を発行することができるので、円建ての債券がデフォルトすることはない


先進国を見渡した時、日本以外の国も借金額を右肩上がりで増やしている

むしろ借金をして財政出動を大幅にやっている国はGDPが大幅に上がり、日本のように財政を緊縮しようとしたところはGDPが余りあがっていない


このあたりから借金の限度額を気にしすぎることをやめ、むしろGDPの上昇のために、積極的に借金をして財政出動をすべきとしている



[考察]
まずは、『政府(日銀)はお金をいくらでも刷れるのだから、借金をしても返せなくなることがない』というのと『政府の借金は民間の資産だから会計上「連結」すれば、政府の負債はなくなってしまう』というのが新鮮な主張

たしかに、民間の資産は銀行などを通じて結局国債の購入に充てられることが多いのだろうが、一番のお得意様である郵貯でさえ、その資産の8割を国債で運用しており、買い入れの限度が近付いている

さらに、勝手に民間の資産を政府の負債と連結してしまっているが、それをするためには、民間の資産は必ず国債で運用するという前提が必要であり、話に無理が生じる

著者は、政府支出を増やすことでGDPを伸ばすことができると主張するが、今後ずっと政府支出で経済を支え続けることはできないだろう

当然、政府が下支えしているうちに民間の活力が復活し、両輪で引っ張っていくのだろうが、日本の金融界が国債を買っている理由の一つは『国債以外に有効な融資先がない』という消極的な理由が大きいように思う

もし、政府が大盤振る舞いをした結果、民間の景気が良くなれば、金融界は、好き好んで国債を買うよりは民間への融資へ方針を転換するのではないか

不景気の時はじゃんじゃん国債を発行し、景気が良くなれば国債が買われなくなるという状況を乗りこなすことができるのか


また、通貨をいくらでも発行できるという主張に対しては、当然のことながらインフレが生じるという反論があろう

著者は、日本ではこれまで、戦後など特異な時点でも「極端な」インフレが生じていないこと、また、現在デフレ状況であり、むしろインフレは歓迎すべきというようなことを主張する

これまで極端なインフレが生じたことがないからと言って、この先も生じない、という保証には当然ならないし、対GDP比で190%というような数字になったこと自体未曾有のことではないのか

デフレ=悪でインフレ=善のような書きぶりだが、例えば少し前に原油が投機により急騰した時、原材料費や輸送費の上昇により一部インフレ状態となった

あの時、インフレによって誰が儲かったのか?景気は上向いたのか?

ただ単に、日本国外の動きに翻弄され、商品の値段は上げられず、材料費は日々上昇を続け、しかもその材料は国外から高い値で買わざるを得ない状態が続いた

日本が勝手にインフレを起こせば、円の価値は下がり、(輸出は助かるかもしれないが、)原材料が高騰してしまう

どんどんインフレにすれば、どんどん原材料は高くなり、庶民は苦しい生活を強いられるのではないか

また、インフレを起こせば、これまで買ってきた国債の価値が下がり、それを大量に保有している金融業界にとっては「国債価値の棄損」ということで実質的なデフォルトというような状態に陥る

金融業界がリスクを取って購入したものだからほっとくこともできるが、銀行等のバランスシートが悪化すれば、それは融資先の企業などにも確実に影響を与える

貸し渋りや貸しはがしが表面化すれば、政府としても対策をせざるを得なくなり、公金投入などに波及しそう

さらに意図的にインフレが起こせるのかという問題もある

国債が消化できる水準でうまい具合にインフレが起きればいいが、ある程度までは物価が動かず、動き出したら一気に加速していきそうな気がする

それは、根拠のない妄想だったとしても、政府がインフレ率を設定し、それが目標通り運営されていくという都合のいい方法は見つかっていないはず(それがあれば、そもそもインフレ、デフレを恐れる必要がない)


全体的にそれぞれの説明は、根拠となる資料を提示し、説得力があるような雰囲気はあるが、おそらく机上の空論で、財政支出を拡大すれば、ただでさえ寿命の尽きかけているこの国の財政に致命傷を与えてしまうだろうね





















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最終更新日  2010年07月04日 18時20分41秒
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