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カテゴリ:自然・ネイチャーのおはなし
写真はカタクリの花。道志川の最下流の丘の上で撮影。
(タイトル) カタクリの花 (本文) 東京から甲府に向かう甲州街道(国道20号線)は高尾山のふもとの大弛峠を越えると少しのあいだ神奈川県の相模原市を走る。大弛峠ふきんは樹木に覆われていて田舎道そのものだ。 東京の桜が開花するのとおなじに峠道の桜が咲いた。木々は新芽を吹き、日溜まりには山吹の黄色い花とスミレの薄い紫色の花がある。 この付近には大きなしだれ桜がいくつもある。風土がこの桜を育てるのだろうか。天然記念物にしても良いような大木は2016年3月23日には二分咲きであった。東京のソメイヨシノの開花宣言より早い開花だ。 山梨県の富士山の近く、山中湖村と背中合わせの道志村の山伏峠を水源として大室山など丹沢山塊の水をあつめて流れくだるのが道志川だ。山中湖から都留、大月をへて流れ落ちる桂川と津久井湖で合流して相模川になる。相模川は平塚で相模湾に注ぐ。ここは湘南海岸だ。川は山に発し海に消える。川の養分はシラスを育てる。シラスは湘南海岸の名産だ。 津久井湖にかかる道志川とその付近ではこの地の人々がカタクリ(の花)を育て保存する。このようなことが全国で行われている。桜が咲くころに林のなかで群生して花を付ける。薄紫のカタクリもまた春の花である。 カタクリは地下茎から花芽がでて10日で開花する。地上に顔をだしているのはひと月だ。陽が射せば花をクルマユリのように後ろにそらして巻く。陽がないと花を閉じる。そういえばカタクリはユリ科の植物でカタクリ属だ。根茎から片栗粉をつくっていた。 カタクリは「片栗」と書く。自生するカタクリが減少したこともあるが、ジャガイモの澱粉(でんぷん)を精製して片栗粉にするようになった。そのようなことでカタクリの根茎は使われなくなった。地下茎を用いる葛粉(くずこ)は吉野の葛(クズ)が絶品である。葛の根茎は長芋状の塊根になる。大きなのは長さ1.5メートル、径が20センチメートルになる。 話が飛ぶ。 葛(くず)は奈良県吉野川上流の国栖(くず)からきており葛の産地であった。葛はマメ科の植物である。夏に繁茂する葛は鬱陶しいほどである。吉野の葛掘人は夏の葉の広がりから良質で大きな葛根を見当てる。 葛の花は夏に咲く。赤い花だ。萩と似た花だ。日本の日当たりの良い里と山には葛が繁茂する。 葛根を掘って葛を食料にする人は少ない。葛粉はお菓子の材料になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年03月27日 12時23分01秒
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