地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく
「編集長を出せ!」 「噂の眞相」クレーム対応の舞台裏
岡留安則 2006/03 ソフトバンククリエイティブ 新書 255p
★★☆☆☆
「『噂の眞相』25年戦記」の続編に位置する内幕暴露本。前著より1年経過しているが、前著で、バックパッキングの旅にでたい、と書いていたが、どうやらそれはまだ達成していないようだ。
この本、図書館の棚にあるのは発見していたが、前著を読んでさらに続けて読もうという気分にはならないでいた。気にはなるが、そのうち誰か借りてくれれば、私の視野から消えるだろうと思っていたが、どうも誰も借りてくれない。しかたがないので、一回とにかく借りることにした。
やはり前著のイメージそのままで、「クレーム対応」というところに特化しただけ、なお、岡留ジャーナリズムの「眞相」が浮き彫りになっている。
トラブルを解決するのに何よりも大事なことは対話である。そのためには、対人関係や人間そのものを知り尽くすことがいかに大切であるかを、この本からぜひ読み取って欲しい。p12
ということだが、その「トラブル」自体は、「噂の眞相」の記事や取材にまつわることから始まる。この取材や記事の方向性に、どれだけの大義があるのか、私にはにわかには判断できない。というより、私には理解できない。理解できないというより、受け入れがたく、批判的でもある。
何を持ってどう評価するかは省くけれど、いわゆる週刊誌やスポーツ新聞と言われる分野に通じる編集方針があるのだろうし、それらのマーケットが繁栄を誇っている限り、特に外野が言うべきことでもないが、私には理解しがたいことが多い。
もっとも私の場合は、一般的な漫画も読まないし、2chもすきでないので、私のほうが、現代の常識から外れているのかもしれないので、あまりこの人や彼の業績については、大口をたたかないでおこうと思う。
スキャンダル記事を掲載したり批判するのは、決してその人物を憎んだり、嫌いだったりするわけではない。その行状や言動、スタンスに疑問を呈して問題提起するだけであって、そもそも私憤なんてものとは無縁なのがジャーナリズムとしての基本だからだ。p35
ということだが、この「ジャーナリズムの基本」には、私は疑問を持つ。
大切なことは”ヒット&アウェイ戦略の精神である。 p35
これじゃぁ、やりっぱなしのずらかりっぱなし、ってことになるんじゃないかな。
筆者(注・岡留)は学生時代にはマルクス主義に傾倒していた時期があり、史的唯物論に基づく思考方法が身についている。社会変革の思想としてのマルクス主義は歴史的遺物と化したものの、唯物論自体は物事の真理を探究する方法論としては、今でも基本的に正しいと考えている。p208
といいつつ、この人はこの人なりのリアリズムの人生を生きてきてしまった。
オウム真理教事件以降、下火になったかに見えたこの手のオカルト番組や記事も、喉元過ぎれば何とやらで、再び息を吹き返すというパターンの繰り返しだったからだ。p215
「彼のスタンス、彼の言行に疑問を呈して、問題提起するだけ」で、あとは「ヒット&アウェイ」なんて、お綺麗なことは私には言えないな。私は彼に対しては「私憤」すら感じる。しかし、それをどのような形で表現するか(あるいはしないかは)、私の側の問題だが。彼のジャーナリズム論と私のそれとには、大きなギャップを感じる。