「フィンドホーンへのいざない」 誰もが癒される不思議な場所がある
寺山心一翁 1998/10 サンマーク出版 単行本 267p
No.951★★★★☆
キリスト教的文化に培われた西洋文明の中に花咲いた天使や妖精のような世界の中に、日本人の視点が加わることによって、より全体性を帯びてくるような感じもするし、また、あまり急いで手垢をつけずに、そのまま純なままでいて欲しいという不思議な感慨も湧いてくる。出来れば、今のところは伊勢神宮p236などとリンクするのだけはやめてほしいと思った(笑)。
農業や治療、ビジネスや政治などへの波及は当然あることではあるが、こちらもあまり急いでリンクせずともいいのに、と思ったり、いやいやリンクがあるからこそ成長を続けているのだ、と思ったり。特にこの本は、前二冊に比べはるかに日本的状況を書き加えているうえに、より現代に近い時代のフィンドホーンをレポートしている。また著者自身の体験も多く盛られている。
ニューエイジという言葉使いにせよ、エコビレッジというコンセプトにせよ、あるいはフラワーエッセンスや、フェニックス・ショップなど、フィンドホーンならではのオリジナルな考え方と発展の歴史があるようだ。原理原則のようなもので決められているのではなく、ひとつひとつの事実の積み上げから、ストーリーは成立している。
実際にその地を踏むことによってしか始まらないことがあるのであろうが、また、誰もが簡単にその地を訪れることができるわけでもない。本を読むという体験では遠く及ばないなにかが進行していることは察することができるが、また、本から十分受け取ることができるメッセージもある。
当ブログにおいて、「チェロキー」カテゴリは、このエントリーで108を迎えた。フィンドホーンで終わるとは思ってもいなかった。今後、このカテゴリはちょっと意匠を変えて「アンソロポロジー」というカテゴリに引き継ぐことにする。名前は変わるがニュアンスはそれほど代わらない。
もっと大きな枠組みの中で、大地にいきる人間達の営みのひとつひとつの波動が伝わってくるといいなぁ、と思う。行きがかり上、もうすこしフィンドホーン本を読み進めてみよう。そして、その時点でまだ余力が残っていたら、十分、天使や妖精たちの波動をあびてから、あのバチカンの本についても、再検討してみよう。