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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2008.08.12
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テーマ:中国&台湾(3302)
カテゴリ:アンソロポロジー


「アジアの試練 チベット解放は成るか」
櫻井よしこ・編 2008/07 文藝春秋 単行本 306p
Vol.2 No.0218 ★★★★★

 ダライ・ラマ14世がラサを脱出して49周年となる2008年3月10日、一部の僧侶によるデモが始まった。米国の短波放送「自由アジア放送」などによると、僧侶ら10人あまりのチベット人がチベット旗を掲げ、ビラを配りながら抗議活動を行った。きわめて穏健なデモである。ところが武装警察は僧侶を警棒で殴るなどをして暴力的にデモを制圧。これを契機としてチベット自治区全土にデモの輪が広がった。p17 櫻井よしこ「胡錦濤への聖火」は許せない

 3月以降のフリー・チベットの動きに触発される形で各紙に散見されたチベットについての、13人のコメントを、櫻井がまとめる形で、6月(発行日は7月)に緊急発行された一冊。「諸君」「正論!」「ボイス」「文芸春秋」といった、やや右寄りのメディアに発表された論説や、一部書き下ろし文がまとめられている。

 スポーツ・ジャーナリスト二宮清純、アルピニストの野口健という人たちの、「政治的」な発言が新鮮。普段は政治とは一定の距離をおいているはずの彼らが発言していることによって、より緊急性が強調されている。

 二宮の「北京五輪開会式で抗議の意思を示せ」はかなり踏み込んだ発言だ。

mexico.jpg

 1968年のメキシコオリンピックの黒人メダリストたちの抗議の写真p43を引用しながら、「混乱を恐れて自らの信念を封印するのであれば真のアスリートとは呼べない」とまで激を飛ばす。

 野口は、「良く書いたな。おまえはもうチベット側から登れないぞ」p67と言われながらも、「いま発言しなければ、そのために僕は十字架を背負うことになる」とまで思いを深める。

 この本の他の半分ほどの文章は、過去にこれらの雑誌に掲載されたものだが、こういった記事をもう一度読まなければならない、というところに、日本人社会が「チベット問題」について十分知らされていないし、共通した認識を持てないでいることが現れている。

 一連の記事の中では、一般新聞の論説が引用されている部分がいくつも見受けられるが、特に朝日新聞の中国共産党寄りの発言をあげつらう文が目につく。私は宅配の日刊紙を購読しなくなってすでに一年半近くなるので、とくにどの新聞に一番親近感を持っているか、というイメージを書く立場になくなっているが、過去に読んできたのは朝日新聞が主だった。

 一紙だけ読んでいるだけだと、特に気にもならないのだが、複数紙を読み続けていると、その立場の違いが浮き立ってくる。しかし、これだけネット情報が自由に流通する時代となっている。ましてや「落ち目」の「新聞」の論説に集約される意見を、国民の代表的な意見として批判する時代というものも、次第におわりつつあるのではないだろうか。

 そろそろアルファー・ブロガーなどがもっともっと表面的に台頭してきて、全体に影響を与える時代になりつつあるはずだと思う。「アジアの試練 チベット解放は成るか」、という表題は極めて重く受け止められなければならない。成るも成らぬも、至難の道すじが待っている。緊急性をもってこれだけの文章がまとめられたとしても、国民全体の大きな声となるまでには至っていない。

 巻末にある編集部のまとめた27ページほどの「『チベット大虐殺』を考えるためのブックガイド」が貴重。当ブログでも、図書館にあるチベット本を中心に読みすすめてきたが、図書館蔵書はこの数倍は軽くある。しかし、自らの立場を確認しながら読み進めないと、ただただ文字列の中に埋没するだけになってしまう。チベットの、とくに「政治的」な部分にだけ焦点を集めてしまうことには賛同できないが、ひとつの方向性を見つけて読み進めないと、深さはでてこない。






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Last updated  2008.08.12 11:10:29
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