井原線ふるさとじゃ～ナル

『「夕日」の原点しのぶ
　・・・葛原しげる　ゆかりの地コース』
　(2004/10/04、中国新聞に連載したものです)

　♪ぎんぎんぎらぎら　夕日が沈む　
　　　　　ぎんぎんぎらぎら　日が沈む

　残暑も去り、秋らしくなりました。井原線ウオーク
秋編のスタートです。この秋は「明治」をキーワード
に沿線の見どころを訪ねます。

　初回はおなじみの童謡「夕日」のふるさとを歩きます。
この歌は広島県神辺町が生んだ作詞家、
葛原しげる（１８８６～１９６１年）の代表作です。
田園の真っ赤な夕日の中を歩く子どもたち。教育者とし
て生涯を貫いた明治生まれの彼だからこそ描けた風景で
はないでしょうか。

　出発は御領駅です。山沿いの道を進むと葛原しげると
祖父の勾当（こうとう）の生家に着きます。勾当は目が
不自由でしたが、琴や三味線の教授として多くの弟子を
育てました。しげるにも、勾当の音楽家と教育者として
の遺伝子が伝わったのでしょう。

　「いつもニコニコ、いつもピンピン、これが作者の唯一
の旗印です」。しげるはこう語って子どもに接し、「ニコ
ピン先生」と親しまれていました。しげるが亡くなった
１２月７日は「ニコピン忌」として今も、その遺徳をしの
ばれています。
　　(今年は１２月３日にくずはら祭が行われます)

　生家前には二人の業績を顕彰した歌碑などがあります。
生家を後に西に向かいましょう。のんびりとしたこの田園
風景こそ、しげるの「夕日」の原点なのです。

　備後国分寺跡を経て菅茶山記念館で一休み。勾当としげ
るの資料も収められています。高屋川の川岸を下り、格子
戸のある神辺の古い町並みを抜け、神辺駅がゴールです。

　さあみんなで歩きましょう。
　（井原線まちおこしネット代表　岡田正樹）

●歩く距離　１０ｋｍ　　●時間　４時間　
●消費カロリー　４７６kcal

※これは「2004/10/04 の中国新聞井笠おかやま版
ほのぼの岡田さんの井原線ウオーク 秋編 第１弾」
の連載を修正加筆したものです。ではまた