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テーマ:お勧めの本(7218)
カテゴリ:認知症をテーマにした本
●ブラジャーを「乳兜(ちちかぶと)」と呼んでいたという歴史的事実?的な話に笑った! ●六車由美さんの『驚きの介護民俗学』に啓発を受けたと最後に書かれていたけど納得!です。私も共感し感銘を受けた本でしたが、小説化したらこんな感じになるのかなと言う感じ。岡野雄一さんのコミック、「ペコロスシリーズ」の世界観とも重なるなぁと思います。 ●認知症になったお年寄りは、新しい記憶から順々に失って過去に戻っていく、そしてたぶん自分が一番輝いていた時代に生きてる、そんな人たちを全部は理解できなくても、関心をもって知りたいと思い、共感して受け入れることのできる家族や施設スタッフのいい話だなと思います。実際の介護現場や医療現場ではそんな余裕がないのは分かっているつもりですが、そんな世界観を理解することで、理解できなくても共感しようとすることで受けるストレスが減る可能性もあるし、業務の手間の減る可能性があるのではないかと思っています。簡単じゃないことは分かっていますが、意識変革は必要でしょうね。 〇認知症も悪いことばかりじゃありませんね。(牛枝さんの娘さん) ●土倉牛枝さん88歳は戦争で死んだ3人の兄たちや兄弟のように育った3頭の馬たちに夢の中で会っているらしいことが寝言でわかる。名前に似合わず凶暴になることのある宇美乙女さん95歳は多産で苦労した人なのに出産時の痛みを思い出してしまうけどそれが彼女の人生がもっとも輝いていた時なのかもしれないと思いました。 ●エリザベスは、清朝最後の皇帝・溥儀と妻・婉容のイングリッシュ・ネーム 満州国建国後、イングリッシュ・ネームをもち、華やかな天津租界で暮らした日々に、清朝最後の皇帝・溥儀と妻・婉容が交錯する、天野初音97歳。認知症の老女たちのなかに宝石のように眠る、輝かしい記憶たち。そのゆたかな世界を描いた長篇小説でした。 ●施設看護師の言葉として、認知症や高齢者の医療や介護の原則もきちんと書かれていた。なので好感が持てて共感できたし安心して読めたというところもあるんでしょうね。 〇「それには鉄則があります。一つ、逆らわない。二つ、叱らない。三つ、命令しない」「したいようにさせて、危なくないようにそばで見守る。そうすると乱暴な振る舞いも、暴言も、徘徊も、だんだん少なくなっていくものです」(ベテランの大橋看護師) 〇「良い介護とは人生の終幕の、そのお年寄りのいい夢を守ってあげることだと思います」(大橋看護師) 〇「でもうちの母に意識があったら、そんな延命処置は望まないと思いますよ」ものが食べられなくなれば死んでゆく。それが自然な苦痛のない終わり方だと・・・」 ●そしてタイトルにも繋がっている短歌 〇短歌「もうだれも名前で呼ばぬからエリザベスだということにする」(松村由利子) 合わせて紹介したい本:「驚きの介護民俗学」(六車由美) ●認知症であろうと終末期の患者さんであろうと、また患者さんであろうとなかろうと、これまでの人生について敬意と関心を持って接することは大切だと思うし、そこが楽しいところだと思っていたのでとても共感できました。 ●時間があれば「聞き書き」で患者さんのこれまでの生きてきた物語を形○「思い出の記」にできたりすればいいのだけどそれもできないので、せめて患者さんのこれまでの人生に興味を持って共感したり学んだりしながら尊敬の念をもちつつも親しく最期までお付き合いできたらいいなぁと思っています。患者さん自身にとってもこれまでの人生の意味を再確認することができることになれば最高! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.03.22 19:11:29
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