蕎麦屋の暖簾。
長いこと、何という字なのかわからなかった。
「蕎麦」のくずし字なのかなあ、と思っていたが、それにしては字がそれらしくない。
大人になって、ある時、これは「楚者」の草書体だと何かで読んで、やっと疑問が氷解。
明治になってカナの字体が統一されたときに採用されなかった字体の一つなのだ。
いわゆる「変体仮名」。
蕎麦屋の店先で生き残っているのである。
念のために書いておくと、この暖簾には、「者楚生」と書いてある。
横書きなら「生楚者」になるはずだ、と思う人もいるだろうが、これは横書きではない。日本語には、伝統的に、横書きの習慣がない。
これは1行1文字で縦書きで書いてあるのである。
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