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2006.11.11
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カテゴリ:江戸時代を知る
歴史に好奇心(2006年 6ー7月) 7月に放送された時に見逃し、今回の再放送で見た。
 加賀百万石の武士が、家計の危機をきっかけに克明に家計簿をつけていたのを元にしている。
 磯田道史という若い学者の研究成果の面白いところだけつまみ食いというところ。
 放送を見たときには、「1両は現代の30万円」と簡単に言い切ってしまっていて、ずいぶん乱暴な、と思ったが、放送の都合だったようで、テキストを買って読んでみたら、米価を基準にしたのでは生活感覚に合わない理由がちゃんと説明されていて勉強になった。現代の米価は、江戸時代には考えられないほど安いのだそうだ。
 このテキストはよくできていて、番組を見ずに読むだけでも面白い。
 「百五十石の知行」というのは、百五十石がもらえるのではなく、生産量百五十石の土地を所領として与えられるということなので、実収入のはその三割ほどなのだ。
 身分制度は、武士とそれ以外という差別よりも、武士社会内部での階級差の方が厳しかった。
 勝小吉の「夢酔独言」などを読んでもわかるが、武士は貧乏なのである。
 このテキストで、貧乏にならざるを得ない仕組みになっていたということがわかる。
 明治維新によって、武士の特権が失われたことは確かだが、その一方で、武士もまた多くの束縛から逃れられたのだ。
 著者は、ほかに、「明治国家ができたことで、私有財産の保障が制度的にととのった」ことは日本の経済成長に役立ったと評価している。
 経済の面では、行き詰まっていたのだ。
 しかし、その一方で、江戸時代をよく知る筆者は、家計簿を残した一家の、明治になってからの教育ぶり、成功や悲劇を紹介した後でこう述べる。

「学問というものは、なにも暮らしや出世のためばかりにするものではないような気がするのです。生きる哲学をえる、とか、豊かな味のある人間になるとか、それまで江戸時代にはかなり余裕のある学びがあったように思います。」

 この「歴史に好奇心」は10月には、「歴史に好奇心(2006年10月ー11月)江戸の教育に学ぶ」というのを放送していた。私はそれも興味深く見た。
 寺子屋では、実利実用というよりも、原理原則のようなものを教え、実務は仕事に就いてから学んだ。
 和算が高いレベルに達していたことや、難解な問題が趣味の範疇にあったことなどを改めて認識した。
 もちろん、学問によって収入を得られる人もいたわけだが、そんなのは例外的なほんの少数だ。

 昨今の「学力低下」を問題視する人たちは、「学力」と「金儲け」(世間体のいい言葉で言えば「立身出世」)を結びつけすぎているように思えてならないのだ。
 誰も彼も学校に通い、誰もが同じように理解しなくてはならないとなったら、学力の低い方に会わせていくしかないのだから、学力が低下するのは当たり前だ。
 「学力低下」以前に、誰もが高校に進学しなくてはならない、などという発想を改め、学校に行かずとも、趣味として勉強する社会を作っていった方が、よほど一人一人の内面は豊かになるだろう。
 私自身も、江戸時代に興味を持って本を読んだところで、一銭にもならない。出費ばかりがかさむ。
 しかし、知らなかったことを知り、認識を改めることが楽しくて自分なりに勉強しているわけだ。

 明治以降の、学ぶことと金儲けを結びつける風潮を改めていきたいものだ。

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Last updated  2006.12.21 07:55:13
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