これまた三船敏郎と仲代達矢だ。
丘の上の豪邸に住む会社重役の息子が誘拐されたのかと思うと、犯人の勘違いで運転手の息子が誘拐されていた。
三船演じる重役の息子は江木俊夫だった。
自分がのし上がることだけを考えてきた三船が、運転手の息子の身代金として会社を手中に収めるために用意した金を使うかどうか。
犯人の仕掛けたトリックに敗れ、後手に回る警察。
話が良くできており、見ている方もずっと緊張を強いられる。
子供を取り戻してからは、犯人を許せないという刑事の意地で、より重い罪に陥れようとする。
重役は、本来は立派な人間ではないのだが、運転手の息子のために身代金を出したと言うことで、世間からは高く評価される。ひねりもよくきいている。
犯人が鞄を焼いた時に立ち上る煙に、白黒映画の中でそこだけ色がついているのも秀逸。
見ているといろいろと勉強になる。