「苦役列車」と「落ちぶれて袖に涙の降りかかる」の中編2作収録。
話の中の時間順ではこの順だが、発表の順は逆なのだそうだ。
ルビがほとんどない上に、独特の言葉を使う。
「
曩日《のうじ》」
「年百年中」
「黽勉《びんべん》たる」
「ぶっきらぼうにほき出す」
「コシケが多い」
「テケツでは」
「テケツでは」
「孜々《しし》の」
「どれだけ慊かろうと」(これは「あきたらなかろうと」と読むのだろう)
「購める」(これは後で「もと」とルビがふってあった)
私小説である。珍しい。「落ちぶれて……」は文壇内幕ものでもある。
「衆道者」に「オネエ」とルビを振っているが、これは違うんじゃないかなあ。